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マルコとレンが甲板にたどり着くと、モビー・ディック号の周りを海軍が取り囲んでいた。
『これは・・・?』
「海軍だ。俺たち海賊は国の政府みたいなもんでもある海軍にとって害虫みたいな存在なんだよ。」
海賊に監禁されていた上に、田舎暮らしだったレンは、”海軍”と”海賊”の関係を知らなかった。
「おい!!こっちに応援頼む!!!」
「うわあああ!!こっちもやられたぞ!」
「マルコ隊長!!!手に負えません!」
様々なところに砲撃が仕掛けられる。
『・・・・・・』
レンは、正義を背負う政府である海軍が、自分を受け入れてくれた家族を攻撃することに怒りを覚えていた。
「俺が行く!」
叫んだのはエース。
ストライカーを下ろすようにクルーに指示していた。
しかしその間にも攻撃は続く。
『待って!!!船から誰も出ないで!!!』突然のレンの叫びに、驚くように振り返るクルーたち。
エースも不思議そうな顔をしていた。
「おい、どういうことだ?レン。」
白ひげがレンに問う。
『・・・親父さん、私が止めます。』
「おい、何言ってんだよ!!」
エースが猛反発。
軍艦8隻を相手に、少女一人に何ができるのか。
しかもレンだ。絶対にケガをさせたくない。
他のクルーたちも同じ考えだった。
「・・・グララララ!!!!よし、やってみろ!!!」
「「「 !!!??? 」」」
『!あ、ありがとうございます!!』
納得のいかないクルーだったが、親父の言うことは絶対だ、と皆黙る。
レンは、その場で腕を広げ、目を閉じた。
2010.04.14
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