ホットケーキの話



(*ヒーローたちの幼少時ねつ造妄想です。ご注意です)


あるとき、いつもサンドイッチじゃあれだってんで、昼飯がパンケーキになったことがある。余った生地でお袋がホットケーキを作った。俺も親父も、あの甘ったるい食い物は余り好きじゃなかったから、だからあれは、ほんの気まぐれみたいなものだったんだろう。「ホットケーキ、食べる?」というお袋の質問にルカは、たった一回頷きを返した。笑顔じゃなかった。ただ、神妙に頷いただけだ。
――で、何が起こったか。
ほかほかと湯気を立てるホットケーキを一口食ったルカはいきなり大粒の涙をぼたぼたとこぼして泣きだした。「泣くほどうまかったのかよ!?」……そういう話じゃあ、ないんだろう。それでも、親父とお袋は「泣くほどうまかったのか……」の一言と微笑ましい笑顔で片づけて、以来、食卓にはホットケーキがちょくちょく並ぶようになった。まだ俺たちがガキの頃の話だ。



2011.05.10(幼少妄想パートツー!ルカちゃんの大好物について)

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