「佐伯くんって、よくこうするよね」 「こうって?」 「ほら、首に手をあててさするような……あれって癖だよね?」 「知らないよ、そんなの」 「あっ、ほらまた!」 「…………海野さんは僕のことをよく見てくれているんだね?」 「うん! あとは――」 「突っ込めよ! 素直に認めんなよ……恥かしいだろ……」 「何か言った?」 「いや別に」 「あとはー」 「ネタ切れか? どうせその程度だ。おまえの観察眼なんて」 「そんなことないですぅー。ええと、そうだ。佐伯くん、よくわたしの頭を撫でてくれるよね?」 「してないゼッタイしてない、そんなこと」 「してるよ! 覚えてないの?」 「記憶にございません」 「ウソだあ。アルバイトのときとか、勉強してるときとか、上手に絵が描けたときとか、よくしてくれるよ? “よくできました”って感じで」 「…………」 「わたし、あれ好きだなあ。お父さんみたいでホッとする……」 「おまえは……」 「え?」 「おまえ、それ以上なにか言ったら、そのボンヤリで天然な頭を再起不能なまでにグシャグシャにしてやるからな!」 「な、何でっ!? 暴力反対!」 「おまえが恥かしいことばっか言うからだ! 待て、逃げんなコラ!」 「ヤダよ、佐伯くんのいじめっ子!」 「どっちが!」 2011.04.21 ※ちなみに学校です。佐伯くん、猫、猫とれてる猫。周りのみんなも呆れ半分微笑ましく見守ってると良いなあと思います。若ちゃん「うーん、青春してますね、二人とも! 先生も負けませんよ!」はりり「つーか、ホント仲良いなあいつら……」そして(一部で)公認バカップルになれば良いじゃないと思うものです。バカップルかわいいよバカップル。 <-- --> |