「俺に弱点なんかない」 「またまた〜」 「ウルサイ。ないって言ったらないんだ」 「そうかなあ? じゃあ、挙げてみるよ?」 「よし、やってみろ」 「じゃあ、まずはダンス。わたし、何回も足を踏まれたんだから」 「あっあれは、弱点というか苦手だろ? 大体、あれはおまえも悪い。本当に上手なヤツはエスコートも上手なんだから、ちゃんとサポート出来ないおまえも……って、分かったよ! そんな目で見んな!」 「あとはー、歌?」 「それも弱点ってゆーか、苦手項目。いいんだよ別に。俺、人前じゃ絶対に歌わないから」 「えー聴きたいなあ瑛くんの歌」 「かわいく言ったって無駄だ」 「うーん、意外と恐がりなとこ?」 「それもどっちかっていうと苦手項目」 「寒がりとか」 「そんなの誰だって苦手だろ」 「うーん……」 「ネタ切れか」 「うー……」 「ほらな、やっぱり俺には弱点なんかないんだ」 「うーん、そうかなあ……。でも、どんなに苦手なことや弱点があっても、わたし、瑛くんが好きだよ?」 「……分かった」 「え?」 「俺の弱点はおまえだ」 「えっ、どういうこと?」 2011.04.15 君には決して敵いません。的な。 <-- --> |