*卒業後、一緒に年越ソバ中の20歳な瑛主。 「そういえば……」 「何だよ」 「何で年越ソバって食べるんだっけ?」 「知らないのか」 「うーん、どこかで聞いたことはある気はするんだけど……」 「ふーん、聞いたことはある訳だ」 「あっ、何よ、そのバカにした笑い方! じゃあ、瑛くんは分かるの?」 「俺は知ってる。こんなの常識だろ」 「常識……分かった、当てて見せるから正解言わないで!」 「はいはい」 「………………」 「………………」 「……………………」 「………………随分、考えるんだな」 「待っててってば! ええと……」 「…………………」 「………………ソバとかけまして」 「うん?」 「ずっと末永くソバにいるため、とか?」 「何で疑問形なんだ」 「ずっとソバにいれたらいいねv」 「…………ふうん?」 (パコッ)(チョップの音) 「痛っ!」 「残念。不正解。正しくは“細く長く達者に暮らせるように”ソバを食べるんだ」 「……よく知ってるね、瑛くん」 「だから常識だろ……」 「流石おじいちゃんっ子……」 「そういうのは関係ないだろ」 「そうかなあ……」 「…………」 「…………あ、そろそろ行く年来る年始りそう!」 「……なあ」 「除夜の鐘、一回で良いから直接聞いてみたいんだよね……ん? なあに?」 「さっきの“ずっとそばに”っていうのさ」 「う、うん?」 「はずれだけど、ちょっといいな?」 「……うん、そうだね」 「はずれだけどな?」 「うん。来年も一緒にいれたらいいね」 「うん。来年も、そのずっと先も」 「うん、ずっと」 「来年もよろしくな」 「うん。よろしくね」 2010.12.31 良いお年を! <-- --> |