▼ 優しさの源
「苗字さんって柳君と付き合ってるの?」
こう聞かれるのはモテる奴と幼馴染になった人の宿命なんだろう。
幸村や仁王達の幼馴染が居るかは知らないけど居たらきっと聞かれてると思う。
「柳君って苗字さんに優しくない?」
「幼馴染だから仲が良いとか優しいとか当たり前でしょ」
特別、仲が悪いとかじゃない限り幼馴染には優しいと思う。
小さい頃から一緒なんだから、それが普通じゃない?
「でも苗字さんだけ特別っぽい」
知らないよ、と声を大きくして言いたい。
てか、そういう事なら私じゃなくて蓮二に聞いてくれないかな。
「蓮二が私を特別扱いしてるなんて誰が言ったのよ。
私は特別扱いされた覚えもないから。」
少し怒り気味に言うとごめん、と言って退散していった。
謝るくらいなら初めから聞かないで欲しい。
「どうした?」
「別に。てかアンタのせい」
後ろからする全ての元凶の声に八つ当たりする。
いや、全然蓮二のせいじゃないんだけどさ。
「名前、一つ言っておく事がある」
「何?」
「名前に特別扱いをされた覚えはないかも知れないが俺はしてるつもりだ」
「どういう事?」
「追加して言うなら俺はただの幼馴染を特別扱いしない」
「どういう意味ですか?」
「自分で考えろ」
そう言って蓮二は自分の席に着いて本を読み始めた。
私は蓮二みたいに賢くないから蓮二の言ってる事の意味は分からなかったけど、
もしかしたら八つ当たりなんかじゃなくて本当に蓮二のせいかも知れない。
幼馴染の距離感が好きなので幼馴染をリクエストさせていただきました。
柳さんとヒロインの距離が私好みでとても嬉しいです!
「俺はただの幼馴染を特別扱いしない」という台詞も二人の距離感が出ていて…!
千様、本当にありがとうございました!
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