02


戦国時代――

彩音たちが骨喰いの井戸から身を乗り出す頃、それとは遠く離れた場所で地の底から巨大な体を露わにする不気味な影があった。大きな口を開き「ぐおお!!」と雄叫びのような咆哮を上げるそれは、深い紫色の体を乗り出しながら赤い目を備えた鋭い尾を高々と上げる。


「なんじゃ、ありゃあ!?」


今までに見たこともないおぞましい姿をしたそれに七宝が堪らず声を上げる。同様に崖の上からその不気味な影を見つめているのは、先に村を発った犬夜叉たちだ。
四魂のかけらの噂を聞き付けてこの地へ訪れてみれば、それは待っていたと言わんばかりにこうして一同の前に姿を現してくる。


「あれは大陸に棲む(さそり)という毒虫に相違ありません…」
「そんなのがなんでここに?」


本来ならばこの国にはいないもの。それを告げられた珊瑚が堪らず弥勒へ問うてしまうが、それへ言葉が返る間もなく「なんだっていい!」と言い放った犬夜叉が強気に不敵な笑みを浮かべてみせた。


「あいつが四魂の玉のかけらを持っているのは間違いねえんだ! はっ」
「ムチャじゃ犬夜叉!」


躊躇いなく一人で先走ってしまう犬夜叉へ七宝が声を上げるも止まることなく、彼は眼下の蠍へ向かって崖を滑り下りながら勢いよく鉄砕牙を引き抜いた。その瞬間に地を蹴って跳べば、接近に気付いた巨大な蠍も迎え討たんと迫りくる。だが犬夜叉はそれに怯むこともなく大きく跳び上がっては、正面から蠍へ向かい鉄砕牙を振りかざした。


「でやあああっ!」


張り裂けんばかりの声を上げて鉄砕牙を振り降ろす――刹那、素早く伸ばされた蠍の鋏状の触肢によって犬夜叉の体は容易く弾かれてしまった。それを見守っていた七宝がそんな彼の姿にすぐさま「あー言わんこっちゃない!」と呆れに近い心配そうな声を上げると、同じく呆れた様子の弥勒がため息交じりに呟いた。


「相変わらずせっかちな奴です…」
「雲母、行くよっ」


珊瑚が続くように声を上げれば、弥勒も珊瑚も共に蠍へと駆け出して行く。無計画な犬夜叉を放ってはおけない。それに、みんなで闘えばきっと勝てるはず。そんな希望を胸に「よしっ、おらも!」と声を上げた七宝が駆け出すが、肝心のその足は崖のふちでピタリと止まってしまった。


「…あー、おら、か弱い子供なのにー!」


つい我が身のことを思ってしまい、そんな声を上げながら頭を抱え込む。ただでさえ身長の及ばない犬夜叉たちより遥かに巨大な敵だ。そのうえ相手は鋭い尾や物々しい鋏状の触肢まで持っている。そんなものにこれほど小さな自分が挑むなんて、どうかしていると思わざるを得ない。

そう考えてしまうものの、仲間たちは怯むことなく果敢に蠍へ向かっている。それを見ては七宝もここで固まっているわけにはいかず、「ええい、ヤケクソじゃーっ」と声を上げて、勢いに任せるよう崖に飛び出した――まではよかったのだが…


「うわーっ!」


勢いをつけすぎた体はバランスを崩し、ゴロゴロと無様に崖を転がり落ちていく。そして大きな岩に乗り上げ、なんとも呆気なく宙へ投げ出されてしまったのであった。



* * *




井戸をあとにし、御神木の元へ辿り着いた彩音とかごめはそこに立てかけていたピンク色の可愛らしい自転車へと駆け寄った。それはかごめが現代から持ち込んだ私物だ。距離の長い移動が多いため、かごめはよくこれを使っている。今日もいつものようにかごめがそれへ跨っては荷台に彩音が座り、「いい?」と尋ねられると頷いて返す。そうして自転車が漕ぎ出され、のどかな森の中を走り始めた。


「……」


ふと彩音が見上げたのは、徐々に離れていく大きな御神木。現代にも残るそれは彩音が犬夜叉と初めて出会った場所で、彩音は悠然と風にそよぐその樹を眺めながら静かに思い返した。

――あの日彩音は戦国時代に落とされ、縋る思いで駆け寄った御神木に封印される犬夜叉の姿を見つけたのだ。だがそこは本来人が入ってはいけないとされる禁域。見つかった彩音は気を失った間に男たちに捕えられ、楓の村へと連れて行かれた。そこで出会ったのがかごめだ。同じ制服を身に纏う彼女に安堵を抱いたのも束の間、彼女を戦国時代に連れ込んだという妖怪が二人を襲い、それぞれの体内から“四魂の玉”と呼ばれるものを取り出された。

それは多くの妖怪や邪な心を持つ人間が狙う、不思議な力を持った玉。二人にとって身に覚えのないその玉は、助かるためにやむなく封印を解いた犬夜叉までもが狙うものだったのだ。

犬夜叉こそは楓が持ちだした言霊の念珠によって制することができたものの、事はそれだけに収まらない。かつて存在した巫女たちの生まれ変わりだという彩音とかごめが、この先四魂の玉を守り続けなければならないと告げられたのだ。しかし二人には自分の時代がある。早く帰りたいと願った二人は逃げるように井戸へ向かった。
そこに手を出したのが、早くも四魂の玉を嗅ぎつけた妖怪に操られる野盗たちだった。不意を突かれ、呆気なく掴まった二人は抵抗するも二つの玉を奪われる羽目に。玉の安否に駆けつけた犬夜叉と共に妖怪を追った彩音は、人を喰らうという妖怪を倒すべく試行錯誤の末、絶対に当たるという確信の下で刀を投げ放った。

だがそれが、この非現実的な日々の、終わりない旅の始まりだったのだ。

彩音の放った刀は図らずも玉ごと妖怪を貫き、玉を無数のかけらとして各地へ散らしてしまった。
四魂の玉の力は強く、かけらであっても膨大な力を与えるだろう。そう語られた彩音とかごめは全てのかけらを集めることを余儀なくされ、気の進まないままに警戒し合う犬夜叉と共にこうして旅をすることとなったのだ。

しかし共に過ごすうちに彼とは少しずつ打ち解け合い、気付けば一人、また一人と仲間も増えて行った。今では仲間たちと過ごす日々が楽しみになっているとさえ感じるそんな日々――

彩音は爽やかな風に白いリボンを揺らしながら、ただ静かに空を仰いだ。向かう先は、彼らが情報を得たと言っていた場所。青く広がる空にその地を思いながら、のどかな空気に身を委ねていた。

そんな時…


「…ん!? 彩音ーかごめえー!」


草が生い茂る中、自然の一部となってしまったなにかの骨の上でお茶を啜っていた冥加は、こちらへ近付いてくる二人の姿に気付くなり「がみょ〜ん、がみょ〜ん、」と声を上げながら飛び跳ねていく。しかし冥加はノミの妖怪であるが故、その姿はあまりにも小さいもの。自転車に乗る二人がそんな小さすぎる影に気付くはずもなく、自転車の目の前に出た冥加はプチッ、と呆気なく轢き潰してしまった。だが瞬く間に復活した彼はすぐさま二人を追いかけ、彩音の肩へ軽々と飛び乗ってくる。


「二人とも! 一体なにをしておったのじゃ。犬夜叉さまはもう闘っとるぞっ」
「…ということは、冥加じーちゃんはいつもどーり逃げて来たわけだ」
「……!? バカ者っ。わしはただ、二人が遅いから呼びに来ただけじゃ!」
「はいはい。ご苦労さまですねー」
「まったく、危なくなるといつも最初にいなくなるんだから…」


慌てて弁解という名の言い訳を始める冥加に彩音はかごめ共々呆れのため息をこぼす。

そんな三人はいつしか草木の見えない無骨な岩場へと踏み入っていた。先ほどまでの緑豊かな道と違い、辺り一面に岩が転がるこの場所では二人乗りを続けるには危険だろう。それを悟った彩音は止めてもらった自転車から飛び降り、もうすぐだという犬夜叉たちのもとへ向かって走り出した。




――その頃、犬夜叉たちが相手にする蠍は尾の先端から不気味な色をした毒液を放っていた。それを浴びせられた岩がジュッ、と音を立てて溶けてしまう中、身を翻した犬夜叉は「この野郎!」と声を上げて蠍へ飛び掛かった。すると蠍も負けじと毒液を噴き付けるが犬夜叉はそれを力ずくで振り払い、その大きな尾へと鉄砕牙を振り切ってみせる。しかし尾はそれをかわし、その勢いのまま犬夜叉の体を弾き飛ばしてしまった。

堪らず「うおっ」と声を漏らした犬夜叉。直後大きく破片を飛ばすほど激しく岩に叩き付けられたのだが、彼は全然効いていないかのように苛立ちを露わにした様子で起き上がった。


「大丈夫か!? 犬夜叉!」
「ちっ。どーも調子が出ねえ!」
「やっぱり犬夜叉は彩音がおらんと、ダメな奴なんじゃー!」
「あんだと、この野郎…」


突然頭を抱えて嘆き始める七宝に仏頂面を浮かべたかと思えば、犬夜叉は両手で七宝の両頬を摘まみ、びよんびよんと強引に引っ張った。まるで餅のように伸びる七宝の顔を犬夜叉がなんとも不細工なものにしてしまうその時、不意に遠くからチリンチリン、と聞き覚えのある自転車のベルの音が響いてきた。それと同時に聞こえたのは、待ち望んだ声。


「おーーいっ」
「犬夜叉ーっ、みんなーっ!」
「かごえーっ! 彩音ーっ!」


同じように顔面を引っ張って抵抗していた七宝が二人の姿に気付くと、途端に犬夜叉の手を振り払って呼び返す。するとそれに気付いた珊瑚や弥勒も明るい表情を振り返らせてくる中、かごめと彩音は犬夜叉の目の前でキッ、と自転車を止めた。


「ごめーん!」
「ちょっと遅くなっちゃった」
「ったく、今までなにやってやがったんだ!」
「ごめんってば。かごめとお弁当作ってたら、思ったより時間かかっちゃって…」
「けっ。遊びに来てんじゃねえんだ! これだから女は」


あはは、と申し訳なさそうに苦笑する彩音に対して、犬夜叉は顔を背けてしまうほどつんけんとした態度を露わにする。しかもその口から飛び出したのははっきりとバカにするような言葉。それには彩音も仏頂面を浮かべ、睨むようにじとー…と見据えながら彼同様腕を組んでみせた。


「だからごめんって言ったじゃん。犬夜叉ってばそうやってすーぐ怒るんだから…」
「ほんとよねーっ」
「そうじゃそうじゃ!」


呆れるようにため息混じりで言えばかごめと七宝がすかさず賛同してくれる。これで三対一、犬夜叉の方が不利だぞ。彩音がそう言ってやろうかと思ったその時、なにやら遠くから聞こえてくる騒々しい物音に気が付き、釣られるように音の元へと振り返った。


「え゙!? いやああっ!!」
「きゃああっ!!」


突然視界に飛び込んできたものに目を疑いつつも、かごめ共々割れんばかりの大きな悲鳴を上げる。なぜならそこには、自分たちよりも遥かに巨大で毒々しい色をした蠍がいたのだ。大きく開かれる口が彩音たちを飲み込まんばかりに迫ってくる――そんな光景に堪らず身を翻そうとしたその瞬間、横から体を掬われるような感覚に襲われて思わず目を瞑った。


「大丈夫か!?」


着地と同時にそう声を掛けてくるのは犬夜叉だ。どうやら彼が咄嗟にみんなを抱えて助けてくれたらしい。それにわずかな安堵を覚えつつ目を開けてみれば、頬が触れ合いそうなほど近くにある彼の顔にドキ…と心臓が跳ね上がった気がした。咄嗟のことで複数人を抱えているせいか、いつもより、近い。


「あ…わ、私は大丈…」
「おら平気じゃ!」


思わず声が上擦りそうになりながらも返事をしかけた瞬間、二人の間からウインクをする七宝が飛び出してきた。犬夜叉のおかげで七宝もかごめもみんな無事だったよう。それを知ることができたのはよかったが、犬夜叉はほんの一瞬間に出てきた七宝へ邪魔だと言わんばかりの仏頂面を見せていた。かと思えば七宝の頭をむんずと掴み込み、岩陰に放るように投げてしまう。


「な、なにするんじゃいっ」
「けっ。そこで大人しくしてろ」


途端に吠えかかってくる七宝に対し、同じく岩陰へ二人を降ろす犬夜叉は無愛想に細めた目を向けやる。だがそれもすぐに真剣な目に変わると蠍へ向き直り、その姿を鋭く射抜くように見つめて問いかけた。


「お前ら、四魂のかけらはどこだ!?」
「えっと…」
「あ、あそこ! 尻尾の先にある!」


凝らした目で確かに捉えた小さな光。それはもうひとつの頭のようになっている尾の先端、その額部分に存在していた。それをはっきりと指し示された犬夜叉は「よしっ」と声を上げては彩音たちの前に立ちはだかる。そして再び鉄砕牙を引き抜き、強く力を込めるように構えてみせた。


「うおおおおっ!」
「飛来骨!!」


勢いよく駆け出した犬夜叉を加勢するように放たれた飛来骨。それは犬夜叉を狙う蠍へ目にも留まらぬ速さで迫り、巨大な鋏状の触肢を激しく砕き散らした。そこへすかさず飛び掛かった犬夜叉。彼は両手で握り締めた鉄砕牙を強く大きく振りかぶった。


「食らえ! 鉄砕牙!!」


光の孤を描くほど強く振り切られた鉄砕牙から衝撃波が放たれ、蠍の尾の中心を走り抜ける。瞬く間に尾の先へ到達したそれは途端に凄まじい爆発音を響かせ、尾の先を丸ごと落としてみせた。


「「「やったあ!!」」」


犬夜叉の快挙に思わず声を上げて喜ぶ彩音とかごめが手を合わせ、七宝が高らかに跳ね上がる。だが、喜ぶにはまだ早かった。悲鳴のような雄叫びを上げる蠍はその場に倒れることなく、突如無防備な彩音たちへ向かって暴れるように走り出したのだ。


「うわっ!」
「な、なんでこっち来んのーっ!?」


途端に声を上げた三人はすぐさま身を翻し駆け出した。だがここは岩ばかりが転がる足場の悪い地。無我夢中で駆ける人間の足をとるには十分で、爪先を引っかけた彩音は地面に叩き付けられるよう倒れ伏してしまった。


「っ!」


鈍い衝撃と同時に感じた足首の強い痛み。運悪く捻ってしまったのか、すぐに立ち上がろうとするもズキ、と鋭い痛みが走って動くことすらままならない。だがそれでも背後からは容赦なく蠍が襲いくる。最早眼前に迫らんとするそれに堪らず“潰される”と死をよぎらせた――その刹那、「彩音!」と叫ぶ声が聞こえ、体を抱き上げられる浮遊感に包まれた。
犬夜叉だ。また、彼が助けてくれた。それに気が付いた次の瞬間、今しがた自分が倒れていた場所に蠍の巨体が雪崩れ込むよう地面へ沈むのが見えた。

そして動きが止まる時を待っていたかのようにその先に立ちはだかるのは、右手の数珠を手にした弥勒――


「あとはお任せを! 風穴っ!!」


頼もしく言い切る弥勒が数珠を取り払った直後、凄まじい風が崖に囲まれたこの地に激しく吹き込んだ。人の力では持ち上げられないような巨岩でさえも引き寄せるそれは、あっという間に全てを風穴へ運び飲み込ませていく。その中で徐々に引き付けられる蠍はわずかに抵抗を見せていたが、不意に体が浮かび上がった途端呆気なく吸い込まれ、断末魔を上げる間もなく風穴の中へ消え失せてしまった。
その瞬間風穴を閉じた弥勒の傍で風に揺れていた錫杖の飾りが小さく音を立てる。しかしそれもやがて静まり、ようやく訪れた穏やかな静寂によって事態の収拾を実感すると、一同は各々安堵の色をその表情に滲ませていった。

これで終わり――そう思いたかったのだが…


「うええ…気持ち悪…」
「なにやってんだ。早く四魂のかけら取っちまえよ」
「う、うるさいなあ…」


残された尾の先端を前に、表情を歪めた彩音が近付いては後ずさるのを何度も繰り返している。というのも、ただでさえ気味の悪い見た目をしたそれに触れるだけでも嫌なのに、その下には不気味な色をした泡立つ体液が溢れているのだ。煙まで上がるそんなものに触れたくはないが、残念なことにまだ四魂の玉のかけらの回収ができておらず、浄化も兼ねて彩音かかごめが取れと言われたため、じゃんけんで負けてしまった彩音がこうして躊躇っているというわけだ。

彩音自身、このままかけらの力で再生されても困るし早く取ってしまいたい、とは思っているのだが、それでもやはり気持ちが悪いものは気持ちが悪い。口元を大きく引き攣らせて身震いまでしてしまうと、彩音は最後の手だと燐蒼牙を手にしてかけらの傍に突き刺した。


「ゔゔ…っうりゃ!」


生々しい感触に顔を歪めながら燐蒼牙を引けば、伴うようにかけらが弾き出される。それが灰色に濁った体液に落ちたのを見ると、彩音は燐蒼牙でちょんちょんと近くへ寄せながらそっと手を伸ばした。そして彩音の手がかけらに触れた瞬間、かけらだけでなく濁っていた体液すらも鏡のように清浄に透き通っていく。


「はあー…やっと取れた…」
「さすがは彩音さま…毒の邪気が浄化されました」
「ったく、燐蒼牙を使うまでもねえだろ」


優しく褒めてくれる弥勒とは対照的に、犬夜叉は呆れたようにぶっきら棒な声を投げかけてくる。それでも彼の手は彩音が立ち上がれるように差し伸べられていて、それに気付いた彩音は少しだけくすりと笑みそうになりながらその手を取ると、「触りたくなかったんだから、仕方ないじゃん」とぼやきつつ立ち上がった。

そうして二人は、それぞれ己の刀を腰に携える鞘へと納め直した。






――そんな彩音と犬夜叉の姿を見つめる一人の男。手に大きな蛾を乗せるそれは、二人が手にする刀へ不気味な笑みをこぼしていた。


「ついに見つけた…瑠璃」
「はっ」
「玻璃」
「はっ」
「いよいよだ…」


壁を埋め尽くすほどの蛾がひしめく空間。そこで男に名前を呼ばれた女二人はその声に頭を垂れ、忠誠心を露わにした。


「「心得てございます…」」


従順に返事をする二人の姿に男は薄い笑みを湛える。それらは荒れた土地に立つ歪んだ大木の下で犬夜叉たちの刀へ思いを馳せながら、淡い光を溢れさせる巨大な牙を眺めていた。

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