キャラメルクッキー
君に恋した矢先の出来事だった。
まさか身投げするなんて夢にも思ってなくて。
後に残った君の靴が真っ赤に染まるのを見て
なぜだか、安堵した。
いつか君にもらったクッキーはひどく甘くて
枯らした喉にダイレクトヒット。
誤魔化した笑顔に、君は喜んで
その時の君の顔ときたら。
嘘は嫌いだと、言った僕を覚えていたのだろうか。
次にはもう、君の足元に水溜まりができていて。
風邪をひかせてしまったのを
よく覚えている。
自覚したクッキーは
それからひどくしょっぱくて
飲みかけのコーヒーをテーブルに残したまま、
僕を殺した。
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