!挨拶

「アラウディ、朝!」


ドン!と音を立ててアラウディの体に衝撃が走った


「痛い…鳩尾に入った…っ。……、…お…おはよう、恭



「おはよう……?」


「朝の挨拶だよ。まぁ、ここはイタリアだから外では余り使わないけどね」


「そうなの?おはよう!」


「良くできました。食事はする?」


「普通はしない」


雲雀は首を横に振ったが、でも……と言葉を続けた


「人間がするなら、僕もする」


「じゃあ行こうか
ふわぁ……眠い……何で、飛び込んだの」


「ジョットがこうすれば起きるって言った。嫌だった?」


「少しびっくりしただけ。あと、人間ってあまり言わない方がいいよ。正体がバレる可能性があるからね」


痛む体を押さえながらテキパキと着替えを済ませていくアラウディが雲雀の頭を撫でた


「でも、僕は人間じゃない……」


「恭、ここにいる限りは君は人間と変わらないよ
人間と同じように過ごせばいいし、自分のしたいようにすればいい
誰も咎めないよ」


「とが、める……?」


「駄目って言わないってこと。恭が人間のように生活を送りたいって言うなら僕達は手伝うよ
誰も人間じゃないから駄目だって言わない。だから、人間のように過ごしたいならジョットにはっきりと伝えてごらん。きっと喜ぶよ」


「……誰も、駄目って言わない?人間と同じように、食べたり飲んだり、寝たりしていいの?」


不安そうに俯きながらも雲雀は静かに呟いた
それにアラウディは雲雀を高く掲げ上げてからふわりと微笑んだ



「もちろん」





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