▼page.3 翌日、なんやかんやで晴れやかな気分でキリングヴェイから城へと帰る事になった。 僭越ながらオチというか、この地での纏めをさせてもらうと。 まず侯爵ね。この人にディーノとブラッドがソレスタさんの禁呪によってあるべき姿に戻った事を伝えたのだ。 するとどうでも良さそうな顔をして 「別れたり合体したりと、聞きしに勝る化け物ぶりだな。まぁこんな化け物の息子など知った事ではないが、こいつを聖騎士に持ってユリスの花嫁殿には同情しますよ。貴女くらいしか規格外な奴の手綱引いたりできないでしょうし、ぜいぜいこき使って下さい」 と語った。 なんだ、この人ただのツンデレか。なんとなくそんな気はしてたけど、やっぱりか。 ディーノの事息子だって認めてんじゃん。私とソレスタさんが生温かい目で見つめてたらすっごい不機嫌になっちゃったけど。 あと忘れちゃならないのはミケくんとミラちゃん。 色々とややこしい事態を招いてくれたお騒がせ猫ちゃんズだけど。 そもそも事の発端から話をすると、ミケくんが鏡を盗んだのはブラッドから鏡を祭具としてしようする危険性を聞いて、ミラちゃんを助けるためだった。 儀式が中止になればミラちゃんが一年間も神殿で過ごさなきゃいけないっていうのもなくなる。 ミケくんはミラちゃんに、この自分達が生まれた町で平和に生きてほしかった。見た目が人間と変わらない彼女は受け入れられているから。 そうじゃない彼は、祭りを台無しにして町を守った後は、一人でどこか別の地へ姿を消そうと思っていたらしい。 でも素直に言えないから、大嫌いだ発言になっちゃったらしいのだけど。その辺の誤解は本人達通しできちんと話し合って蟠(わだかま)りはなくなっております。 ミラちゃん一人でも幸せになって欲しかったミケくんと、二人で一緒に仲良く生きていきたいミラちゃん。 軍配が上がったのはミラちゃんだった。 結局は二人してこの町を出る事になった。行先はロウランという、獣族への偏見があまりない国だ。 ソレスタさんの古い知人がいるから口利きしてくれるという。 だいたいそんな感じ。 祭りが終わり、長閑な町に日常が取り戻されたのを見届けて私達はお城へと帰った。 前 | 次 戻 |