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鷹島が葵の荷物と自分の荷物を抱えて、職員室に戻ってくると、齋藤がひたすらもじもじと体を揺らしていた。

「どうした齋藤、早く下着だけでも履かねぇとシャワー室行けねぇぞ」

いくらタオルやティッシュで白濁やら汗を拭いたとしても、シャワーを浴びなければ気持ちの悪い感触は残ったままだろう。
鷹島は「立てねぇならおぶってくから」と言って手を差し出す。

が、葵は必死に首を横に振って、消え入る声で訴えた。


「な、中、中が…!」


鷹島は葵の言っていることが、一瞬よく分からなかったが、直後自分が彼に中出ししてしまったことを思い出す。
これが女子だったら責任もの(責任とって結婚か治療費全額負担)だが、葵は男。
吐き出されたものは吸収されない。かと言って、全部簡単に出てくるわけでも、無い。

鷹島の出した答えは1つ。

「とりあえず…掻き出すしかねぇな」

再度葵を押し倒して、まるで赤ん坊のおしめを取り替えるような体勢にした。

その体勢と、鷹島の真剣な視線とこれからしようとすることに、葵は思わず、


「っぎゃぁああ!!やめ、それは!俺自分ですっから!」

ばたばたと四肢を暴れさせて何とかそれを逃れようとした。
鷹島は仕方なく、そうかと言って足を離す。
あっさりと回避され、葵は驚くが、自分がそう言ってしまったことに後悔した。


実は、すでに自分で掻き出そうと努力はしたのである。
鷹島が戻ってくる少し前、葵が1人ぼんやりと涙を拭きながら服を着ようとしたとき、気づいたのだ。
太ももを伝ってくる、液体に。

汗か何かかな?と思って渡されたタオルで拭けば、ぬるっとした感触。
汗ではない。というか垂れてくる場所的に、それは。


(ひぃいい!先生の精液じゃねーか!)

思わず心の中で叫べば、よりリアルに感じる「情事後」。
今、自分の中に留まってゆっくりと垂れてくるそれが、あの鷹島から出た白濁だと思えば、何だか変な気分になってくる。


(おれ、俺の中で、イ、イってうわあああ)


リアルに思い出す、あまりの快感と鷹島の動きと、熱い吐息と吐き出された熱。
あまりの羞恥に葵は床をひたすら殴った。
と言っても腕力は無いので自分の拳が痛くなっただけ。


(と、とにかく出そう…出せるのか、これ…)


とりあえず、葵は恐る恐る後孔に指を入れる。
自分のそこに指を突っ込むなンて、したことも無いありえない事実に、悲しくなりながらもゆっくりと引き抜いた。
いくらかは出せたが、奥に残っている白濁まで指が届かない。
開けば何とかなるか、と思って恥ずかしながらも両手の指でそこを広げた。が、手前がスースーするだけ。

当たり前だ、これで簡単に奥の液体が出ればここ本来の機能の意味が無い。


どうしよう、どうしようと体を揺らしていたちょうどそのときに鷹島が来て、話は冒頭に戻るということであった。



「俺ここの戸締り簡単にすっから…今のうち出しとけ。タオル足りないならそこの引き出しから出していいから」

それなのに鷹島は、気を使って向こうを向いている。
その優しさが、逆効果。
葵は内心、さっきみたいに無理やりでいいから!ともうパニック状態。

思わず、葵は戸締りにと窓の方へ向かう鷹島の足を掴んだ。


「っと、…?どうした、出て行った方がいいか」


葵はまた首を横に振る。
そして、羞恥に震えながら、必死に伝えた。


「…お、俺さっきやったけど、奥のが、とれなくて…」

顔を真っ赤にしている葵。
申し訳なさと、その初心さに鷹島は顔を歪ませながら、無言で葵の後ろに腰を下ろした。


葵を膝立ちさせ、指を1本後孔の奥までゆっくりと入れる。
爪を立てないように指の腹で幾度かかいた。


「ん、ふっ…」

不思議な感覚にもじもじと腰を揺らす。
むず痒い様な気持ちいいような。
鷹島はまた1本指を増やし、傷つけないようにしながらも速度を速めて掻き出した。

「あひっ、」

「えろい声出すな」

必死にまた突っ込みそうな欲望を押さえ込んで、鷹島は半ば強引にぐちゅぐちゅと掻き回す。
ある程度したらシャワーで何とかするしかねぇよ、と冷静に言いながらも。




やっとある程度掻き出せた時には、2人もぐったりしていた。
二度犯された気分だ、と葵は落ち込みながら服を着る。
対する鷹島も、力なく喘いで体を震わす葵にまた襲い掛からないかと緊張しての取り組みだったので、その糸が途切れて脱力。


しばらく無音だけが続いた。
カタカタ、と古びた窓の枠が鳴る。



「…行くぞ、齋藤」


「…あ、…ハイ…」


静かに言われるがまま、葵は重たい腰を支えながら立ち上がる。
ゆっくりと鷹島の後ろを、まだ緩やかな痛みを帯びる腕を擦りながら着いて行った。



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