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「ちょ、待って…!たんま!違う、冗談、冗談だってば…!」

ようやくばたばたと足を暴れさせ始めた葵。
必死に冗談だと認識させねばと言い訳するが、鷹島は葵の衣服を脱がせることを止めず、シャツは前開き、中に着ていたTシャツは鎖骨辺りまで捲り上げられた。

鷹島は葵の体育の授業を持っていないので、初めてその肌を見る。
予想以上に白く、細い。
男のくせにひょろっちいな、と思いながらも肋骨は浮き出ていないので食べてはいるんだろうと冷静に分析しながら、ゆっくりと撫ぜた。


「ひ、…く、くすぐった、」


くすぐったいと言いつつも笑わず、ぴくぴくと身体を震わせる。
感度がいいのだな、と思いつつその反応を楽しみたくて鷹島は身を屈めて淡い色をした胸の突起に舌を這わせた。
案の定、驚いて身体を跳ねさせる。


「ほ、ほンとに、やめろって…先生!」

俺、女じゃない、とわめきながらむず痒さに足を揺らした。
さっきまで何とか暴れていたのに、鷹島の体温と吐息が近づくほど、身体が不思議な痺れを帯びてゆくのだ。
自分で、自分の身体が分からなくなる。

ふと、鷹島は突起を舐め、上半身をまさぐるのを止め、また顔を上げた。
へらへらした顔が、怯えと緩い気持ちよさに歪んでいるのを確認し、またにたりと欲に染まった笑みを浮かべ、


「お前がヤってくれっつったンだろ?何回もヤってるくせに今更初心な反応してンじゃねぇよ」


ひどい言葉を投げつける。
葵は何回もヤってるどころか、セックス自体が初めてだ。
初心な反応こそ当たり前。
葵は泣きたくなった。いくら以前うっかり事故でキスしてしまったときに、女をとっかえひっかえしていると嘘を吐いてしまった自分も悪いが。


(そもそもなんで女の子とのセックスと男にヤられるセックスを一緒くたにしてンだよ!?)

鷹島の言った言葉が信じられなかった。
それなのに、なぜかその乱暴な言葉が、葵の背筋と下半身にぞくぞくと寒気に似た快楽として直撃してくる。そんな自分も、信じられなかった。


そうこうしている間に、ズボンと下着が軽々と取り払われる。
ほぼ全裸になった葵は身を捩じらせて自身を隠そうとするが、あっさりと鷹島に足を開かれた。
筋肉も無い細い足に鷹島は驚きながら、半勃ちの淡く若い葵自身を見つめる。

あまりの羞恥に、葵は涙をじんわりと浮かべた。


「…お前さぁ、これ本当に使ってンのか?ピンクに近くねぇ?この色」


じっくりと形や色を見ながら、本当にこれは男の象徴なのかと鷹島は疑う。
自分のはいやらしく赤黒くて軽くグロテスクなのに。

一体どのように勃起して射精するんだろうか。
好奇心が湧き、やわやわとそれを擦り揉んだ。

「…っ!」

びくり、と膝が痙攣した。
やはり感じやすいらしく、数回擦っただけでカウパーがとろとろと溢れ出てくる。
こんなんでも勃起すれば多少なりとも大きくなるンだな、と口に出したら葵が屈辱で泣き喚きそうなことを心の中で呟いた。

鷹島がそんなことを考えているなど微塵も思わない葵は、性器に直接与えられる快楽に息を荒げ始めていた。熱を持った息が、空中を舞う。

爪で軽く先端を引っかかれたり、裏筋を擦られたりすれば、若い彼の自身は暴発寸前。
学校の先生、しかも授業したことの無い体育の、男前の、口の悪い高圧的な男に弄られているだけで。


甘い痺れは止まらない。
葵を、拘束し続ける。
ベルトよりも、もっとキツく。


「、ん、…ぅ、あ…も、やめ…」

息も絶え絶えに、葵は溢れ出そうになる甘い嬌声を何とか堪えて必死に最後の拒否を言葉で表す。
しかし、身体は快楽に素直すぎて。
垂れ流すカウパーに段々と精液が混じり始めた。
限界が近い。おかげで陰茎が何度も震え、睾丸も腫れきっていた。

このまま、達したくない。
無様に精液をぶちまけたくない。

必死に葵は身を捩じらせ、一瞬だけ鷹島の手を自身から離れさせた。
しかし、鷹島があっさりと諦めるわけも無く。


「逃げンなよ、こんなにだらだら先走り流してるくせによ」


逆らわれれば逆らわれるほど、燃えるのが男の性であり、サディストの好物。
鷹島は捩った葵の身体を乱暴に元に戻して、緩く与えていた刺激を、より激しく与え始める。
裏筋を指で押さえるように陰茎を握り締め、カウパーを滑らせて上下に擦った。


「ひぁ!やめ、あ、…!?」

射精欲が一気に増す。
頭の中が白く点滅してゆき、限界を知らせる。
鷹島から見ても分かる限界の近さ。
激しく擦り上げながら、鷹島は身を屈め先ほど噛み付いた首筋に、もう一度噛み付いた。


「いた、ぁっ!?あ、あ、ぅああぁっ…!」

痛みを認識した瞬間、葵は信じられないという表情を浮かべながら、白濁を鷹島の掌に吐き出す。
まさかこのタイミングで達するとは鷹島も思っていなかったらしく、慌てて顔を上げ、自分の掌と葵の自身を交互に確認した。

確かに、達している。
思わず鷹島は、またにたりと笑みを浮かべてしまった。痛みでイってしまうなど、こいつは意外にとんだマゾヒストなのだという、悦びで。


達した直後で、ぼんやりと宙を見ている葵の顔を覗き込み、


「…へぇ、齋藤ってマゾだったのか。噛まれてイっちまうなんて」


と、嫌みったらしく告げる。
瞬間、羞恥と屈辱で再び火照る頬。
しかも達した後なので変に冷静で、自分の痴態が蘇りえもいわれぬ恥ずかしさが襲った。


「違う!びっくりしただけだし…!も、これ解けよ…!」


逃げ出したくて、葵はガシャガシャと音を立てながら縛られた手首を暴れさせる。
しかし、だるい腰はなかなか言うことを聞かず、上半身だけが抵抗という空しい結果。

鷹島はその拒否反応も面白くてたまらない。
そして、ぐちゃぐちゃに泣かせて壊したい。
最悪な、男の欲求である。


「ああ、終わったら解いてやる。…終わったら、な」


え、と疑問を呟く葵を見下ろしながら、鷹島はジャージと下着を少しだけずらしながら葵の両足を思い切り広げた。
あまりの恥ずかしい格好に、葵は声にならない叫びをあげる。


今から、叫び声も枯れそうになることを、葵は知るはずも予想することも、無い。
知るは、大人の男の本能に直結な欲望だけだ。

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