ジャンさんの金髪でしこしこぴゅっぴゅしたいだけの話


ルキジャン。冬コミ、インテ無配。冬コミ発行のKiss, kiss of teardropの後日談のような感じ。本であんまりえろを書けず不完全燃焼を起こして書いたのですが、結局ぬるめ







 ハァイ、あなたの愛玩動物、らっきーわんわん・じゃんかるろです。
「……聞こえてるぞ、ジャン」
「あれ、心の声漏れてました?」
 風呂の中で髪をわしゃわしゃと洗われて身体中を隅から隅まで磨かれればこいつのペットみたいな気分にもなる。触れ合うだけで、肌を合わせるだけで安心出来る、とは言うが、それにしてもこれはいきすぎだ。
「……こうされるのは、嫌か」
 そして簡単に心がぺっきり折れちゃうガラスハートのライオンさんめ。
「嫌いだったらこうして大人しくしてないで水でも掛けて逃げ出してるっての。わんわん」
 手で水鉄砲を作ってライオンさんの顔に掛けてやる。
「この……」
 怒ったような声を出して顔を作って、でもルキーノの目も口元も笑ってる。
「嫌いじゃないだろ、こういうの」
「調子に乗るなよ」
「う、わ」
 ばしゃん。バスタブの水面下に頭のてっぺんまで入っちまって、泡がぷかぷか浮いた。
「やりすぎだって」
「のぼせる前に出ようぜ」
 ルキーノは髪を丁寧に洗い流してくれて、身体も磨いてくれて、風呂から出れば埃もすっかり落ちて高級な犬に変わっていた。残念ながら血統書は付いてないけど。
「……」
 いつもならしつこいくらいに髪をタオルで拭いてくるルキーノは、バスローブを着込んでも静かにジャンを見ているだけだった。どうもおかしい。
「どうしたんだよ」
 こちらは正真正銘血統書付きの犬、というかライオン、リビングのソファに座ったルキーノは、餌を前に待てをしているみたいだった。
 ……ん? ちょっと待て。エサ? どこに?
 ちょっと考えて、ルキーノの視線が見ているものは一つしかないと気付く。
 ……俺? つか髪?
「あー……少し伸びたよな。切った方が良いか?」
 ルキーノがやたら気にしている髪を見てみる。少し伸び過ぎだろうか、襟足が首筋に掛かってくすぐったい。前髪も目の中に入りそう、かもしれない。伸びてるってほどじゃないが。
「いや……良い、そのままで。良いぞ、ジャン」
 ルキーノの声がやけに熱を帯びている。
「乾いてるときは気付かなかったが……伸びたな。それに、濡れた金髪の色も良い」
 つまるところ、やっぱり、餌は俺なわけね。
「あんた、金髪だけで興奮出来る変態だったのか」
「あながち間違ってないな」
「ってそこは否定してくれよ!」
 なんつーか、伊達男で男の中の男なのに残念な男だ。……底が好きなんだけど。
「……なにおっきくしちゃってるの」
 ルキーノのバスローブの前がこんもり盛りあがっている。見なくたってわかる。
「今日は……なんだろうな。お前が愛しくてたまらない」
 こっ恥ずかしいことをさらさらりと言いやがって。さりげなく目を逸らす。バスローブから見える鎖骨のラインも胸板の分厚さも、全てが男らしくて色っぽくて、見ていられなかった。
「おい、目を逸らすな」
 ばっちりばれてる。ここのところ、GDのやつらと話しながらルキーノたちに気付かれないようにしていたせいで、へろへろだ。だが、ルキーノもへろへろなのだろう、なら、たまには。
「わーかったよ」
 ルキーノに文字通り飛びかかった。
「な、んだ急に」
 ルキーノをソファに押し倒す。わざとらしく尻を振ってみせた。
「さーびすさーびすぅ」
 ぺろん、ルキーノのバスローブの前を捲った。どうしようもなく昂ぶった屹立がある。横からちゅ、と口付けた。結局、ジャンも興奮していた。どうしようもなく、ルキーノが欲しい。
「ライオンさんはわんわんに犯されたいんだろ」
「な、」
 太腿を手のひらでさすり、そこにこてんと頭を乗せて太腿を枕にした。少し遠いところから舌を伸ばしてちろちろと舐める。
「……お、まえ、しゃぶるのそんなに好きだったか」
「だから、サービスって言っただろ」
まだ乾いていない自分の金髪の束をひとつまみ。確かに随分伸びた。それを引っ張って、ルキーノの竿を擽ってやる。
「大好きな金髪でちゅよー」
 つんつん、毛先で、すでに粘膜が剥き出しになっている亀頭をつついた。
「っ、あ……」
 痛いのか、ルキーノの顔が歪む。それが面白くて、ジャンは枕から頭を上げると竿に頬擦りしながら前髪を擦り付けた。
「……気持ち良くないのけ」
 ルキーノの反応がない。心配になって、顔を上げる。ルキーノは驚くほど無表情だった。
「あ、わり……嫌、だったか?」
 ジャンのさらなる問いかけにも無言で、ジャンはいよいよ俯いた。やりすぎたかもしれない。さっきまでシリアスなムードだったし? でも、ルキーノとのセックスは日常の一部になってるし、明日の飯の話をしながらすることだってあるから、これくらいなら大丈夫なはず……と思いながら、ジャンは上体を起こした。
「悪い」
「あぁ、悪い」
 ルキーノが唸るように低い声を捻り出した。
「悪いに決まってるだろ!」
 ついに叫んで、殴られるかと思って身体を固くした。固くしたら、抱き締められた。
「へ?」
「やり過ぎなんだよ、お前……壊れるぞ」
 耳元で、はぁ、と盛大な溜め息が聞こえた。
「だから、やり過ぎだって言ってんだ、止まらなくなる」
 ちゅ、と口付けられたのは髪の毛だった。指で何度か梳かれたかと思うと、今度は押し倒された。
「は? え?」
 状況を飲み込めずにいると、ぬるりとしてごつごつして熱いものが頬にぶつかった。ルキーノのペニスだ。さっきジャンが舐めていたときよりもガチガチに勃起したそれが、ジャンの頬をつついて凹ませ、窪みを作った。すん、と鼻を動かすと鼻孔を雄の匂いが満たし、喉を通って肺まで満たされていく。いつもならその後に唇を目指してくる亀頭は、今日は違った。先端が頬を嬲り、耳を嬲り。
「っ、どこに、何して……」
「だから、お前は煽りすぎなんだ。加減を知れ」
「加減を知らないといけないのはあんたの方……っ」
 熱く湿った感触は、耳の穴を嬲って通り越して、髪をくしゃりと掻き上げた。髪が引っ張られて皮膚が引っ張られるような感覚がある。
「な、にこれ……」
 チンコの方を見ると、カウパーと唾液でべとべとに濡れたペニスに髪が絡みついているのが見えた。グロテスクに勃起したペニスに、自分の細い金髪。ミスマッチで、背徳的で、どくん、と心臓が鳴った。同時に、ルキーノの、完全に肉食獣と化した表情が見える。髪を巻き込みながらペニス全体が髪に擦りつけられ、そしてそのまま、ルキーノ自身はジャンの額に辿り着いた。
「この髪……お前の目が見えない」
「っ」
 目蓋に、熱いものが触れて目を瞑る。ぬるぬるして、熱くて、目蓋越しにもルキーノの表情が浮かぶようだ。
「目は、やだ……っ」
 うっかり目の中に入ったらたまったもんじゃない。
「しっかり閉じてろ」
 言われなくても。
「良いぞ」
 目蓋に掛かっていた前髪がペニスで掻き上げられた。ヘンな感じ。額に掛かっていた前髪も一本ずつ丁寧に、ペニスで掬いあげられる。
「……やばいな、これは」
「やばいのはあんただろ……手でやれよ」
「お前が誘ったんだ」
 まだペニスで犯されていない右側の髪を、ルキーノの乾いた手のひらが撫でていく。そのあたたかさだけで、全部を許しちまいそうになる。ダメだ。
「どういう意味だよ」
「俺のジャンの、最高の金髪……汚したくないし、痛めたくないんだが」
「だったら今すぐ、ナウ、やめてくれたまえルッキーニちゃん」
 大体、この体勢だとルキーノのチンコと袋と陰毛くらいしか見えなくて、なんか嫌だ。顔が見たい、とは言ってやらないけど。髪の代わりに太い陰毛に口付けて、あむあむと食んだ、ボディーソープの香りがする。
「こら、くすぐったい」
「俺の気持ちわかってくれたかしら」
「いや……すまん、汚したくてたまらん」
「いやん直球でわんわん困っちゃ……うわあ!」
 どぴゅ、と熱いものが額に掛かって、直後に青臭い、嗅ぎ慣れた匂い。
「……こんなに早漏だったっけか、ルキーノ、いや、ルッキーニちゃん」
「……こんなつもりじゃ……なかったんだが……」
 塩振った青菜みたいにしょげかえって、ルキーノがソファに座った。
「顔射ならまだわかるけどさ……髪射とか、ねーわ」
 呆れかえって怒りも湧いてこない。髪がべっとべと。髪の中に突っ込んでぶっ放されたせいで、髪の根元まで。しかも頭皮にも。
「禿げちゃったらどうすんのよ」
 鏡を見て確認しなくてもわかる、これは手間だ。これを綺麗に洗って落とす側の気持ちにもなってみろ。
「俺の……大切な、ジャンの金髪が……こんなことに」
 その表情を見て、ルキーノがさらに興奮してきたことがわかった。だって、ルキーノの息子さんががっちがちにボッキしてらっしゃる。おそるおそる髪に手で触れてみる。どろりとした白濁が指に付いた。ぺろりと舐める。まずい。
「汚れて……」
「だーかーら、ふざけんな!」
「風呂に入れてピカピカに入れてやるから大丈夫だ問題ない。だから、さ、また今度……な?」
「だーめ!」
 どんなにライオンの心がしょげて折れていても哀しそうでも自信喪失してても二度と髪を犯すのは許してやるまいと思った。だって、また風呂に逆戻りよ? ルキーノの濃縮されていて還元されない100%ザーメンは髪にこびりついていてちょっとやそっとでは落ちてくれそうにない。
「またゆっくり風呂に入って落してやるって」
 つまりそれが狙いでいやがるんですねエロライオン様。
「だめったらだーめ!」
 ……許しちまうんだけど、な。ルキーノと風呂に入るの、嫌いじゃねーし。
 今日何度目か、ジャンもまた腰の奥を疼かせながらまた風呂に向かった。



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