君に捧ぐ+α


翌朝。
アキラが、寝坊した。
さらに悪いことに、シキのベッドで寝ていた。
より悪いことに、シキは隣には居なかった。
温もりもとうの昔に失われていて、アキラの分しかない。
慌てて自室に戻って身支度を整えると足早に執務室に飛び込んだ。
入った途端にシキの笑みが視界に入った。
「貴様にしてはなかなか面白いことを考えたな」
「……忘れてください」
「ほう」
「貴方が人間じゃないということはよく分かりました」
「そうか」
「ですがくれぐれも無理をなさらないでください」
「珍しく大胆だったな」
「………………忘れてください」
アキラは俯いてぼそりと呟いた。ひとつ小さく咳払いをして、隙のない顔に戻る。
「総帥、今日の予定ですが……総帥?」
シキの反応がない。何か問題があっただろうか……昨日のことは置いておいて。
「総帥?」
もう一度呼びかけて、気付いた。
「シキ様」
シキは満足そうに笑んだ。
「今日の予定ですが」
「確かどこぞの国の代表との食事が入っていたな?」
「はい。その後は士気を上げるために訓練の視察をして頂き……」
「アキラ」
「はい」
「何よりも初めにすべき、大切なことを忘れている」
「申し訳ありませ……」
「昨日、お前がしたことは分かっているな」
びくりと、アキラは肩を震わせた。
「まだ処罰をしていない」
「シキ様の、思うがままに」
「そうか、来い」
「……?」
「アキラ」
「――っ! ん、あ……っ……」
まぁ、つまりはそういうことだ。




おしまい。
(ただのアホです)



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