星の器 | ナノ


▽ あとがき

『星が還る場所』をご拝読いただき誠に有難うございました。
『星の器』と『星を抱く人』の間ですが、本作は2作の完成後、半年経ってから書いた作品です。
2作がきれいに終わったため、この作品を書くにはかなりの勇気が必要でした。それでも、ずっとギルガメッシュがなぜ裁定者になったのか、という物語を描きたくてうずうずしていました。
「子ギルのまま青年になったら」
という設定だったので、キャラに色々と違和感があったかと思います。

■作品のテーマ

舞台は『星の器』から数年後。青年になったギルガメッシュと、未来からやってきた主人公に変化が訪れます。これまで通りではいられない二人はいったいどんな結末を迎えるのか…。
本作のテーマは『喪失』。そして愛する人に『何を残すか』でした。
何度も関係を喪失しつつ、そのたびに二人は結ばれていきます。しかしギルガメッシュ、主人公、それぞれの背負った宿命によって二人は別れざるを得ません。
それでも、二人の出会いに意味があったこと。残されたものがあることを、この作品で表現したいと思いました。

■主要キャラ以外について

長いシリーズで、メイン以外にもたくさんのキャラクターが登場しました。
星シリーズは好きなキャラがたくさんいます。前作から活躍している祭祀長さん。アニメバビロニアで熱かったシドゥリさん。なんだか損な役回りのシャシャさん。
他にもイシュタルなどなど、思い出深い人ばかりでした。
その一人一人がいなければ、主人公は最後までやり遂げることはできませんでした。


■次作『星を抱く人』に向けて

最後に主人公は、ただのギルガメッシュに再会して結ばれたい、という願いを持ちます。それが次作に繋がるのですが、果たしてギルガメッシュは亡くなった主人公に対してどんな思いを持ったのでしょうか。
本編ではっきりと書かれませんが、『星を抱く人』の最後にギルの取った行動で分かります。


■最後に

死ぬのってきっと怖いですよね。でも死ぬとき、きっと大切な人と出会えると思って眠る人はいるのではないでしょうか。そんな思いも込めて最期の希望を主人公に持たせました。
時に悲しく、怒り、喜び、愛おしい人間の一生は物語に満ちています。何もなさなくても、人間は儚いからこそ一生に価値があるのだと私は思います。
多くの出会いが私たちの人生を彩りますが、皆さんはその人に何を残しますか?
私は小説を通し、読んでいただいた方に感謝が届けられたら幸いです。

お約束の<おまけイラスト>。相変わらずギルが全く上手くかけません。

もしよければ続編の『星を抱く人』もお楽しみください。
最後までご拝読いただき、誠に有難うございました。


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