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まほうのことば

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笑ってください。
そう言えば目の前の少女が無理にでも笑おうとする事を弁慶は長年の経験で知っていた。
今にも泣きそうで、必死に堪えて失敗する。いびつな笑顔が、あまりに眩しくて、愛しい。
まるでまほうみたい。
そう言って、記憶の中で笑う君があまりに無邪気で幸せそうに見えるから、僕は、
「笑っ…て、ください、」
こんな時でも、僕はこうして君を困らせることしか出来ない。
霞む視界で、滲んで混じった笑顔だけを この世の名残に。


(弁慶/遙か3/まほうのことば)
2006/2/22


 

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