Lily Bell > 作品一覧

03バレンタインデイキッス


「良い話だなー」

公園のベンチで抱擁を交わす男女。一時は雲行きが怪しくなったもののどうやら上手くいったらしい。やっぱ俺のおかげだよなー、愛のキューピット的な感じだよな。

「だよなぁ、土方くん」
「だよなぁ、じゃねぇッッ!…ったく覗きなんて趣味わりぃ」
「そう言ったっておたくも興味津々だったじゃないの」
「そ、それはアレだてめえが無理矢理連れてくるから」
「だって新八は関わりたくねぇっつって来ないんだもんよ、そしたらたまたま暇そうな税金泥棒が居たからつい」
「つい、じゃねぇッッ!俺は仕事中だったっつの!」
「まぁまぁ、いいじゃないの。おたくも神楽からチョコ貰ったろ?嬉しかったろ?俺なんて失敗作だよ?なんでなんだよ」
「知るか!つーかチョコに『コメ』って描いてあったけど何アレ?」
「あぁ。お返しは米でよろしくな。10倍返しが基本だからとりあえず10キロな」
「っざけんな!」
「しかし、あんなんで顔赤くしちゃうなんておたくのクソガキも可愛いところあるじゃないの」
「…あぁ総悟のあんな顔久しぶりに見たな、昔は可愛かったんだけどな」
「それはおたくらの育て方がいけなかったんじゃないの」
「俺は普通にしてたぞー、近藤さんが甘やかしすぎなんだよ」
「あれ、なんかマヨ臭いと思ったら土方さんじゃねぇですかい」
「「!」」
「あ、旦那チョコありがとうごぜぇやす」
「お、沖田君じゃないか〜!いやぁ偶然だねぇぇ!あ、あれ?神楽は?」
「旦那にチョコあげなきゃいけないからって帰りやした」
「マジでか。やべぇなすぐ帰らねぇと」
「んでお二人ともこんなところで何してんですかぃ」
「そそそそれはアレだ。土方君が!コンタクト落としたつーから探してたのよ!なァ!」
「おおおおう、そうそうそうソレ!どっこいったかなー見つかんねぇなぁ!あ、つーか俺仕事戻んなきゃいけねぇし!じゃあな、万事屋!総悟もちゃんと仕事しろよー」

チャキ。という音が聞こえて時すでに遅し。あっというまにあたりは爆音とともに煙まみれになる。

「あれ、土方君なんでアフロ?」
「てめーもだ、万事屋」

[おわり]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -