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一方蘭丸は...
「では、お疲れさまでした。」
いつものマネージャーの一言で仕事も終わり。
今日の仕事は“夢が叶った人にインタビュー”。
たくさんの夢は自分で叶えてきた。
でも俺にはまだ成し遂げていない夢がある。
いや、“やくそく”がある。
それは...
「おい美桜!これうけとれ!!お れさまからのプレゼント だ!!」
『らんまる...くん?』
「いまはムリでもおれたちが 20さいになったらけっこん してくれ!!」
『うんっ!!』
.....。
あの時『うんっ!!』と笑顔で返事したアイツはまだ俺のことを覚えているだろうか。
もうすぐ20歳。
“やくそく”の時だ。
.....
あぁ、時が過ぎるのはなんて早いんだろう。
なんて年寄りみたい。
でも20歳に近づくごとに蘭丸のことを思い出してしまう。
....。
もう、忘れようと思ってるのに。
忘れられない自分に嫌気がさす。
あの人とは赤の他人のくせに。
それでも...どこかで期待している。
蘭丸は覚えてくれてるんじゃないか、って。
20歳になったら迎えに来てくれるんじゃないか、って。