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それは偶然だった。
もともと作詞家になりたいと思っていたため、時々先輩の仕事場に付いていくことがあった。
そこで色々なアーティストと会ったこともある。
しかし、アイドルと会うことはまずなかった。
今日は誰かなー、なんて浮かれ気分で付いていったら会ってしまった。
蘭丸くんの後輩と。
さらには同じメンバーまで。
あぁ、なんて私はツイてないんだろう。
....
今回の仕事はシャイニング事務所のアイドル達が主役の舞台の主題歌を考えること。
それの打ち合わせ。
その先輩は全ての舞台の主題歌を考えるって言ってたからもちろん蘭丸くんともいつか会うわけで。
はぁ、マジ困る2000%なんだけど...。
すると蘭丸くんと同じメンバーらしい人が声を掛けてくれた。
「はじめましてー!!君は作詞家かな?よろしくマッチョッチョ!!!」
そういって差し出された右手。
無視することも出来ずに軽く握り返すとぶんぶんと振られた。
えーっと、この人は...
『寿嶺二さんですか!?』
「ちょっとー、気付くの遅いよー!!ぼくちんかなしいー!!」
『ごめんなさい...』
ほんとにテレビで見る通り明るくて人懐っこそうな人だなぁ。
「そういえば名前聞いてなかったね!!君の名前は!?」
『向田美桜です』
「うん、よろしくね!!美桜ちゃん!!!」
(寿さんってなんで毎回語尾にびっくりマークがついてるんだろう...?)