NL詰め合わせ
▼一→秋→円
「秋!秋!大きくなったらオレのお嫁さんになってよ」
「一之瀬くんの?」
「うん!絶対幸せにするからさっ」
そう言ってきらきら目を輝かせながら私に小指を差し出す一之瀬くんは輝いて見えた。そう、一之瀬くんはいつだってヒーローみたいで、王子様みたいで。私みたいな地味な子には釣り合わないのに。約束だよ、そう言ってまた弾けんばかりの笑顔で一之瀬くんは。
「どうして、どうして」
神様、どうして私は一之瀬くんを好きになれなかったのかな。
***
一之瀬には幸せになって欲しいけど秋ちゃんとは永遠に結ばれない気がする。←
▼円夏
円堂くんは誰にでも笑顔で、優しくて、不安になるの。そういう性格だって分かっているのよ、ちゃんと。男の子相手なら友達だから仕方ないと割り切れるわ。でも、女の子相手にもそうだと不安にだってなるでしょう?私の事、好きだっていうのと同じ笑顔で皆大好きだぞって言うのよ?裏表がない人だからしょうがないって思うけれど、そんなのあんまりじゃなくって?
「愛してるぞ、夏未」
でも、その一言は私だけ。私だけに向けて、私だけに見せる大人びた表情で、私だけをその瞳に映してくれる。小さな体とは対照的な大きな手の平が私の体を抱き締めてくれるだけで不安なんて萎んで円堂くんへの愛情で胸がいっぱいになるの。
「私も愛してるわ、円堂くん」
***
夏未ちゃん私が嫁に欲しいっつーの><←
▼ふどたかふど
「アンタってさ」
「あん?」
「寂しがりでしょ」
アタシの膝を枕にして雑誌を読んでいた不動にそう尋ねれば、不動はぴくりとも表情を動かさず別にと答えた。動揺を隠してるつもりなんでしょーけど、雑誌を捲る手が止まってんのよね。案外分かり易い。
「別に馬鹿になんてしないわよ、寧ろたっぷり甘やかしてあげるから感謝しなさい」
「はぁ?忍ちゃんマジ上から目線ちょー偉そー」
「それはアタシの根っからの性格だから…」
ね、と続く言葉は不動の唇に吸い込まれた。頬に添えられた手が冷たい。本当素直じゃないわ。甘えたいなら言えって言ってんのに、不動は言葉より手の方が早いみたいね。
「…し、のぶ?」
「そんなに甘えたいなら、存分に可愛がってやるわよ」
固い床に組み敷いた不動の体は酷く冷たくて青白くて、ここに赤いアレを付けたらさぞ綺麗だろうなと思った。
***
小鳥遊ちゃんはきっと女王様攻だなと思って^q^
▼瀬マキ瀬
「りゅーいちろー」
「はいはい」
「りゅーいちろー」
「ちょっと待ってろって」
「りゅーいちろー」
「…んだよ」
漸く机の上の宿題から顔を上げた隆一郎の頬を両手で挟んで唇を押し付けた。隆一郎の目が少しずつ見開かれる。それが嬉しくて唇を軽く舐めたり吸ったりしてみる。その内ぷるぷると震え始める隆一郎から口を離すと、顔を真っ赤にして口をぱくぱくさせていた。
「隆一郎かーわいい!もっとちゅうする?ちゅうする?」
「しっしししねぇよばか!宿題もしないとだし」
「宿題なんて論にやらせてぇ、マキとにゃんにゃんちゅっちゅ…しよ?」
「ぅ、やめ…っ」
「はい終了ーマキ捕獲ー」
***
瀬方が女の子に弱かったらすごく可愛いなという私の願望。まぁマキちゃんが可愛いからこそ瀬方もあんだけ狼狽えるんじゃないかと^q^
▼ヒロ玲
「玲名、これなんてどう?すごく玲名に似合うと思うんだー」
「こ、こんな可愛らしい服…私には…」
「何言ってるの!可愛い服を可愛い子が着て似合わないなんて事ないよ」
「そ、そうか…えっ」
それはまるで私が可愛いみたいな口振りじゃないかと目を見張ればヒロトはにこにこ笑って服を差し出すだけ。しかし、折角ヒロトが勧めてくれた服だ。着ないのも悪い…だが…。
「すみませーん、試着お願いしまーす」
「!ひ、ヒロ…」
「はーい、こちらにどうぞー」
私の手を引いて試着室に向かうヒロトの楽しそうな横顔を見たら、とても嫌だとは言えなかった。
「玲名ー!すっごく似合うよ!めちゃめちゃ可愛いっ」
「ひ、ヒロトっ声が大きい…!」
試着室の前で店員よりも私をベタ褒めし、渋る私を説得して服を購入したヒロトは満足そうに私の手を握って笑いながら隣を歩く。荷物も良いと言ったのに持ってくれたり、ヒロトは何から何まで本当に優しくて…こんな接し方をされると正直困る。
「玲名、次のデートではこの服着てね?」
「わ、分かっ…た…」
でも、不思議な位にヒロトと居る時間は心地好く。手を軽く握り返すと、それだけで嬉しそうに笑うヒロトともっと一緒に居たいと思うのだ。
***
玲名ってウチの妹と字が違うけど同じ名前なんですよね…だからウルビダちゃんのがしっくりくる感じ。←
ヒロトは典型的な優男タイプ^^
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地震で大変な方も居るかもしれないけど、そんな方にも少しの萌で元気を出して頂けたら良いな。という気持ちで書いてみた初NLでした。