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▼アニメ内で一人だけベンチに座ってた南沢さんに円堂が例のあの言葉を掛けるだけの話

フィフスセクターから派遣されたにしては、勝つ為の練習をするだなんておかしな事を言う。伝説と呼ばれた男。かつて少年サッカーの頂点に立った男。サッカーをやる人間なら誰もが幼い頃に憧れた男。


「そりゃ、アンタがサッカーしてた頃は何にも縛るものもなかったんだから」


純粋にサッカーを楽しめた時代を生きた人間に、今のオレ達の苦しみや葛藤が理解出来る筈がない。それでも、アイツらはあの男の元へ行った。オレは、オレには、出来ない。そんなに簡単に、人は変われない。それでも、未だに身に纏ったジャージやグラウンドから離れられない体は、オレがまだ心のどこかでサッカーに期待をしているからなのだろうか。


「あっ!居た居た…よ!確か、南沢って言うんだよな?」

「!…円、堂…監督」


日が大分傾いてきて、そろそろ帰らないといけないなと考えていれば明朗な声がオレの名を口にした。軽く片手を上げた円堂監督は、ニッと歯を見せて笑った。笑顔が眩しいとは、この人の為にある言葉なのではないかとさえ思わされる。少し良いかと隣に腰掛ける監督に、オレは思わず姿勢を正していた。


「今日、練習来てくれなかったな」

「それは…勝つ為の練習なんて、する意味がないでしょう」

「今は、そうかもしれない。ま、難しい事は置いといて」


意味深に今は、と告げた監督に顔を向ければ頭に手を置かれてくしゃりと髪を撫でられた。そうしてまた眩しい笑顔を浮かべて監督は南沢、とオレの名を呼んだ。何故だか分からないが、この人に名前を呼ばれると酷く安心した。


「サッカー、やろうぜ!」


馬鹿みたいだと思うのに、胸は高鳴るばかりだった。






「南沢って睫毛長いなー(ずずい)」
「ちょ、あの…近、」
「綺麗な目だってよく言われるだろ?(頬に手添え)」
「ま…まぁ…」
「ホントじっと見てたくなr」
「キャプ…監督!何初日から部員に手出してるんですか!(教育的指導)」



***

円堂に嫁が居る事など承知していますとも。
でも、一人だけベンチに座ってる南沢さんがあんまりにも救われないからつい…。








maetugi

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