「おいきさま、話をきいてるのか!!『関係ないね』ってふうな顔をするんじゃないッ!!」

「アヴドゥルとかいったな。おまえ、何者か知らんが態度がでかい。それに、じいさん…百年前に死んだそのディオとかいう男が海底から蘇っただと?そんな突拍子もない話をいきなり『はいそーですか』と信じろというのか?」

「フ…しかしおれやおまえの悪霊も……突拍子もないという点では共通の事実ではないのかな」

「フン!まあいい…。うむをいわさず、信じるようになるさ。なぜこのわしがDIOの存在を知り、やつの行方を追っているのから理由を聞けばな!」

「インスタントカメラ……?写真でも撮るんですか?」

「うむ。理由をみせてやる。実はわしにも一年ほど前、おまえのいう悪霊、つまり『幽波紋(スタンド)』能力がなぜか突然発現している!」

「なんですってパパ!」

「じいさん今なんといった?」

「みせよう。わしの『スタンド』はッ!これじゃあーーーーッ!!」



「見たか?手から出たいばらを!これがわしの『スタンド』!能力は遠い地の像(ビジョン)をフィルムに写す『念写』!ブッ叩いていちいち3万円もするカメラをブッこわさなくちゃあならんがなッ!」

「お客様、いかがなされましたか」

「なんでもない…向こうへ行け」



「これからこのポラロイドフィルムに浮き出てくる像こそ!承太郎ッ!おまえの運命を決定づけるのだッ!」

「なんだと?」

「承太郎、ホリィ、おまえたちは自分の首のうしろをよく見たことがあるか?」

「…?なんの話だ」

「注意深く見ることはあまりないだろうな、わしの首の背中のつけ根には星型のアザがある」

「は!」

「た…たしかにある。昔見た覚えがあるわ……。承太郎の首の、このあたりにアザがあるのを………」

「だからなんの話かと聞いてるんだ」

「わしの母にもきいたが、幼い時死んだわしの父にもあったそうだ…。どうやらジョースターの血筋には皆この星型のアザがあるらしい」

「だからいったいそのフィルムには何が写るんだ?」

「今まで気にもとめなかったこのアザがわしらの運命なのじゃ」

「パパ!」

「てめー、いいかげんに…なにが写ってるのか見せやがれッ!!」



「DIO!わしの『念写』にはいつもこいつだけが写る。そして、やつの首のうしろにあるのは!このくそったれ野郎の首から下は、わしの祖父ジョナサン・ジョースターの肉体をのっとったものなのじゃあああーーーあああ!!」



「百年前の大西洋の事件はわしが若いころエリナおばあさんから聞いた話からの推測でしかないが、とにかくDIOは祖父の肉体をうばって生きのびた。そして、これだけはいえる!やつは今!この世界中のどこかに潜んで、なにかを策しているッ!やつが蘇って4年。わしの『念写』もおまえの『悪霊』もここ一年以内に発現している事実…。おそらくDIOが原因!」

「われわれの能力は世間でいういわゆる超能力…。おれのはもってうまれた『スタンド』だが、あなたたちの能力はDIOの肉体。つまり、ジョナサンの肉体とみえない糸で結ばれている。DIOの存在があなた方のねむれる能力を呼び覚ましたとしか、今はいえん…」

「アヴドゥル…。この写真からこいつが今、どこにいるかわかるか?」

「わかりません。背景がほとんど写ってませんからな」

「ホリィ。わしらはしばらく日本に滞在する。おまえの家にやっかいになるぞ」





「…………」

「気になる?アザのこと」

無言でいる承太郎に痺れを切らしたのか、杏奈は承太郎の学ランの首根っこの辺りをぐいっと下へと下げる。

多少バランスを崩す承太郎だったが、相手はあの杏奈だ。

昔からの付き合いのせいで、睨んだり怒鳴ったりした程度じゃ引くことがないのを承太郎は知っている。

「あー、あるわね。ジョセフさんが言っていた、星型のアザ。ここ。わかる?」

「そうか」



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