「つ………ついに「姿」を見せたか」



「ほう、ここまではっきりとした形で出せるとは……。意外ッ!」

「きさまもおれと同じような…『悪霊』をもっているとは…。そしておじいちゃん、あんたは『悪霊』の正体を」

「知っている…。しかしアブドゥルも驚いているように『悪霊』の形がこんなにはっきりとみえるとは相当のパワーだ!!」

「ジョースターさん。あなたはお孫さんを牢屋から出せと言われました。手加減しようと思いましたが…この私の首をみてください。予想以上に骨が折れそうだ。彼のパワーにヘタするとこちらが危ない…。やめますか?このままどーしても出せ!というのなら、お孫さんを病院に送らなければならないほど、荒っぽくやらざるをえませんが」

「かまわん。ためしてみろ」

「イエッサー!」





「ムウン!赤い荒縄(レッド・バインド)!」



「パパ!いったいこれはッ!」

「ホリィ〜〜!いい娘だからおまえはだまっておいでね」



「い…息が…」

「悪霊がひっこんでいく……。熱で呼吸が苦しくなれば、おまえの悪霊はよわまっていく。正体をいおう!それは『悪霊』であって『悪霊』ではないものじゃ!」



「承太郎!悪霊と思っていたのはおまえの生命エネルギーが作り出すパワーある像(ビジョン)なのじゃ!そばに現れ立つというところからそのビジョンを名付けて……『幽波紋(スタンド)』!」



「イソップの話にある…。寒風では旅人は衣をまとうだけだが、熱さは音を挙げさせる。オリを出たくなったかJOJO」

「い…いいかげんにしろ…。おれが出ねえのは、他人に知らず知らずのうちに害を加えるからだ。同じ悪霊持ちとは親しみがわくが、このまま続けるとテメエ…死ぬぞ」

「ハッ!い…いけない!離れてッ!承太郎を本気で怒らせたら、もう誰も止められない!」

「おおおおおお!てめー、おれはもう知らんぞッ!」



「きさまなぜ急にうしろを見せるのかッ、こっちを向けッ!」

「ジョースターさん…。みてのとおり、彼を牢屋から出しました…が」

「してやられたというわけか?」

「そうでもない…。おれは本当(マジ)に病院送りにするつもりでいた。予想外のパワーだった」

「もしおれの悪霊がこの鉄棒を投げるのをやめなかったら、どうするつもりだった?」

「おれの能力…。スタンドは『マジシャンズレッド』。その程度の鉄棒なら空中で溶かすのはわけない」

「アブドゥルはおまえと同じ能力をもつもの…。もう牢屋内で悪霊の研究をすることもなかろう」

「わー、承太郎ここを出るのね!」

「良かったですね、ホリィさん」

「ウットーしいんだよこのアマ!」

「はあーい、ルンルン!」

「ム、おい!きさまッ、自分の母親に向かってアマとはなんじゃアマとはッ!その口のききかたはなんじゃ!ホリィもいわれてニコニコしてるんじゃあないッ!」

「はーーーい!」



「ところで君」

「え?あ、はい」

「そうだ。君だ。さっき君はアヴドゥルのスタンドが見えていたな。もしかして君もスタンド使いか?」

「わたしが?と、とんでもない。わたしは一般人ですよ?たしかに見えてますけど、わたしにはそんな不思議な力なんて……」

「うーむ、じゃがしかしスタンドはスタンド使いでなければ見ることは出来ない」

「もしかしたら、君も何らかの能力を発現するだろう。気をつけなさい」

「は、はい………」



「おじいちゃん。ひとつだ!ひとつだけ今……わからないことをきく。そのスタンドとやらを知っていたのか?そこがわからねえ」

「いいだろう…。それを説明するためにニューヨークから来たのだ…。だが説明するにはひとつひとつ順序を追わなくてはならない。これはジョースター家に関係ある話でな…まずこの写真をみたまえ」

「なんの写真だ?」

「今から4年前、その鉄の箱がアフリカ沖大西洋から引き上げられた。箱はわたしが回収してある…。ブ厚い鉄の箱は棺桶だ。ちょうど100年前のな…。棺桶はおまえの5代前の祖父…つまりわしのおじいさん、ジョナサン・ジョースターが死亡した客船につんであったものということは調べがついている。中身は発見された時、カラっぽだった。だがわしには中に何が入っていたのかわかる!わしはアヴドゥルとそいつの行方を追っている!」

「『そいつ』?ちょい待ちな…。そいつとはまるで人間のような言い方だが、百年間海底にあった中身をそいつと呼ぶとはどういうことだ?」

「そいつは邪悪の化身。名はディオ!!そいつは百年の眠りから目覚めた男。我々はその男と戦わねばならない宿命にあるッ!」



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