「ゆ、ゆがんでいる…わ。この船…グニャグニャねなってるわ!」
「あのサルがやられたから、そのスタンドである船が形を失っていくんだ…」
「おい、だまげるのはあとにしな。この船はもう沈むぞ……脱出するぜ…。乗ってきたボートでな」

「し…信じられないわ…。船の形がかわっていく…。あんなボロボロでちっちゃな船が今みで乗ってた船?」
「なんということだ…。あの猿は自分のスタンドで海をわかって来たのか…。恐るべきパワーだった。はじめて出会うエネルギーだった」
「我々は完全に圧倒されていた。承太郎が気づかなければまちがいなく…やられていただろう。しかし、こいつ以上の我々の知らぬ協力なるスタンドもこれからも出会うのか?」
「ガム噛むかい?」
「わたしいらなーい」
「…………これでまた漂流か?」
「やれやれ、モクがしけちまったぜ」
「かわかす太陽と時間は十分あるぜJOJO」
「なんならわたしがブルーエンプレスで水を吸い取ってあげようか?その方が早く吸えるわよ」
「無事救助されてシンガポールにつけるよう祈るしかないな、日本を出て4日か……」





「こらッ!きさまッ!おまえ、おまえだよ!」
「ん?」

「きさま!ゴミを捨てたな、罰金500シンガポールドル(4万円)を課する!我がシンガポールではゴミを捨てると罰金を課す法律があるのだッ!わかったかね!」
「ゴミ………なんのことだ?」
「プッ」
「ゴミと間違えられるポルナレフの荷物ってッ!」
「おれには!自分の荷物のほかには!なぁーんにも見えねーけどーーーっ、ゴミってどれか…おしえてもらえませんかね!どこにゴミが落ちてんのよォ!あんた!」
「ええっ!!これはあんたの荷物!?し、失礼した!」
「キャハハハハ!」
「ム!なんだ?あのガキ、まだくっついてくるぜ」
「おい、おやじさんに会いに行くんじゃあないのか?」
「おれたちにくっついてないで早く行けばぁ」
「フン、5日後おち合うんだよ!どこ歩こうがあたいの勝手だろ。てめーらのさしずはいらねーよ」

「あの子、われわれといるも危険だぞ」
「しかしお金がないんじゃあないかな」
「しょうがない、ホテル代を面倒みてやるか。ポルナレフ、彼女のプライドを傷つけんようつれて来てくれ」
「おい!貧乏なんだろ?めぐんでやるからついて来な!」
「…………」
「傷つけないようにって言われたじゃないのよ、このスカタンポルナレフ!」
「スカタンンンッ!?」
「スカタンよ、スカタン」
「おまえさあ〜〜〜、なんかおれにだけ冷たくね!?ジョースターさんやアヴドゥルにはさんづけなのに、なんでおれだけそもそも呼び捨て!?おれおまえより年上なのに!」
「年上とか関係なく、バカっぽいから」
「どストレートッ!」
「ぶわっはっはっは!さすが杏奈ちゃんじゃ、ポルナレフ負けっぱなしじゃの」
「どうやらポルナレフは杏奈ちゃんには弱いらしいな」
「弱くねえよッ」
「ふーん、じゃあ勝負するゥ?喧嘩なら得意よ、わたし」
「望むところだ!!」
「これこれやめんかふたりとも」
「おいポルナレフ、杏奈と喧嘩するのはオススメしねーぜ。どうせおまえがボコボコにやられて泣くだけだろーよ」
「なにおう!?この俺が5つも年下のコーコーセーの女に負けるってのかよ承太郎!うそだろ!?」
「うそじゃあねーぜ。同学年のやつら5人を相手に、ひとりでパンチと蹴りだけでそいつらをボコボコにした」
「なんだってえっ!?」
「スタンドの使い方はまだまだだが、喧嘩についちゃあ杏奈はかなり強い」
「この杏奈ちゃんが……」
「人は見かけによらないとは、まさにこのことでしょうか」
「ちょっと、ひとを怪物みたいに言わないでよね。それに、好きで喧嘩に強くなったわけじゃないし、承太郎のせいよ!承太郎が喧嘩ばっかりするから、こっちは巻き込まれて自己防衛で喧嘩が強くなったんだからね!」
「おまえがいちいちおれの行くとこなすとこについてくるからだろーが」
「しょうがないじゃない、ホリィさんに『杏奈ちゃん、承太郎のことお願いね!』って頼まれてたんだから」
「やれやれだぜ」



「今夜はホテルに泊まり、これからエジプトへの進路を決めよう」
「うむ」
「杏奈ちゃん。すまないが、もし何かあった時のためにあの子と同室になってくれんか」
「ええ、構いませんよ」
「それではわしとアヴドゥル、承太郎と花京院、杏奈ちゃんのあの子、ポルナレフは一人でええか」
「一人の方がせいせいしていいぜ」




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