「承太郎!」
「JOJOォーーーーッ」

「歯で悪霊クワガタの口針を止めたのはいいが、」
「承太郎のスタンドの舌を喰いちぎろうとしたこいつは…やはりヤツだ!タロットでの『塔のカード』!破壊と災害…そして旅の中止の暗示を持つスタンド…『灰の塔(タワー・オブ・グレー)』!」
「タワー・オブ・グレー?旅の中止の暗示って…それ、今まさにこの状況を言ってるわけ!?」
「うわさにはきいていたスタンドだが、こいつがDIOの仲間になっていたのか!『灰の塔』は事故に見せかけて大量殺戮をする『スタンド』!たとえば飛行機事故、列車事故、ビル放火などは、こいつにとってはお手の物。いや!すでに昨年のイギリスでの三百人を失った飛行機墜落はこいつのしわざと言われている。DIOの命令か!」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

「か…かわされた……。片手ではない…両手でのスピードラッシュまでもかわされた…。な…なんという速さだ」
「そうな……。承太郎の攻撃を全部避けるなんて…クワガタのくせになんでそんなに速いのよ!」
《クク…。たとえここから一センチメートルの距離より、10丁の銃から弾丸を撃ったとして…弾丸はおれのスタンドにはふれることはできん!もっとも、弾丸でスタンドは殺せぬがな》

《ビンゴォ!舌を引き千切った!!そしておれの目的は…》

Massacre!
(みな殺し!)

「や…やりやがった!!」
「焼き殺してくれるッ、『マジシャンズ・レッド』!」
「まて!待つんだアヴドゥル!」

「うーん、なんか騒々しいのォ。なに事かな。ウーーーン、トイレでもいくかの」

「なんじゃこのヌルヌルは?M…A…?クンクン、ひ…血……血か、ちィ〜〜!」
「あて身」
「花京院!」
「他の乗客が気づいてパニックを起こす前にヤツを倒さねばなりません。アヴドゥルさん、あなたの炎のスタンドはこの飛行機までも爆発させかねないし、影宮さんはまだスタンドが発現したばかりで扱い慣れていないだろう。JOJO、君のパワーも機体壁なや穴でもあけたりしたら大惨事だ!ここはわたしよ静なるスタンド『ハイエロファント・グリーン』こそ、ヤツを始末するのにふさわしい」

《クク、花京院典明か。DIO様からきいてよーく知っているよ。やめろ……自分のスタンドが『静』と知っているならおれには挑むまい…。きさまのスピードではおれをとらえることはできん!!》
「そうかな。エメラルドスプラッシュ!」
《KEEEEEEEEE》

「まずい!やはりあのスピードにかわされたッ」
「か…花京院!」

《ファハハハハハ、おまえなあ、数撃ちゃ当たるという発想だろーが、ちっともあたらんぞ!スピードが違うんだよ、スピードが!ビンゴにゃあのろすぎるゥゥゥゥ!そして花京院、次の攻撃で、こんどはきさまのスタンドの舌にこの『針塔(タワーニードル)』をつき刺してひきちぎる》
「エメラルドスプラッシュ!」
《わからぬかハハハハハーーーーッ!!おれに舌をひきちぎられると、くるいもだえるンだぞッ!苦しみでなァ!》
「ま…まずいッ!またエメラルドスプラッシュをかわされているッ!」
「ひきちぎられると、くるいもだえる?わたしの『ハイエロファントグリーン』は…」
《グエッ!な、なにィィィ!》
「ひきちぎると、くるい、もだえるのだ。喜びでな!」

「すでにシートの中や下にハイエロファントの触脚がのびていたのだ。エメラルドスプラッシュでそのエリアに追い込んでいたことに、気づかないのか」
「ギャアァァァァ!!」
「さっきのじじいが本体だったのか。フン、おぞましいスタンドにはおぞましい本体がついているものよ」
「あたしとしては、花京院の隠れた本性を見てしまった気がする……」



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