「DIOの肉の芽がうめ込まれていないようだが……!?」
「本当だ…。この人の額にはないわね」
「『灰の塔』はもともと旅行者を事故にみせかけて殺し、金品をまきあげている根っからの悪党スタンド。金でやとわれ、欲に目がくらんでそこをDIOに了解されたんだろう」
「肉の芽で操るんじゃなく、金で戦わせてるってわけ……」

「変じゃ。さっきから気のせいか機体がかたむいて飛行しているぞ…」
「見て、あそこのペットボトル。中身が斜めになってる……。きちんとテーブルの上に置かれているのに」
「やはり傾いている…。ま…まさか!」

「お客様どちらへ?この先はコックピットで立ち入り禁止です」
「知っている!」

「どけアマ」
「きゃあ」
「おっと」
「もう、承太郎ったら乱暴なんだから」

「失礼……。女性を邪険に扱うなんて許せんヤツだが…今は緊急時なのです。許してやって下さい」
「はい」

「なんてこった、してやられた」

「ジョセフさん?一体どうし、血ッ!?」
「杏奈ちゃん、見るんじゃあないッ!舌を抜かれている…。あのクワガタ野郎、すでにパイロットたちを殺していたのか!」
「効果しているぞ…。自動操縦装置も破壊されている……。この機は墜落するぞ…」
「ぶわばばばばあはははーーッ!!」
「なに!」
「さっき死んだんじゃ!?」
「ブワロロロロ〜〜ベロォォォ、わしは事故と旅の中止を暗示する『塔』のカードをもつスタンド!おまえらはDIO様の所へは行けんン!たとえこの機の墜落から助かったとて、エジプトまでは一万キロ。その間!DIO様に忠誠を誓った者どもが四六時中きさまらをつけねらうのドァッ!世界中にはおまえらの知らん、想像を超えた『スタンド』が存在するゥ!DIO様は『スタンド』をきわめるお方!DIO様はそれらに君臨できる力を持ったお方なのドァ!たどりつけるわけがぬぁ〜〜〜〜い!きさまらはエジプトへは決して行けんのどあああああああばばばばゲロゲロ〜〜」

「ひ」
「さすがスチュワーデス。プロ中のプロ…。悲鳴をあげないのはうっとーしくなくてよいぜ。そこでたのむが、このじじいがこの機をこれから海上に不時着させる!他の乗客に救命具つけて座席ベルトしめさせな」
「うーん、プロペラ機なら経験あるんじゃがの……」
「プロペラ……」
「プロペラと飛行機じゃ、扱い方全然違うんじゃないの…!?」
「しかし承太郎…。これでわしゃ3度目だぞ。人生で3回も飛行機で墜落するなんて、そんなヤツあるかなあ」
「「「…………」」」
「2度とテメーとはいっしょに乗らねえ」










「たしかに!われわれはもう飛行機でエジプトへ行くのは不可能になった。また…あのようなスタンド使いに飛行機内で出会ったなら、今度という今度は大人数を巻き込む大惨事をひき起こすだろう。陸路か…海路をとってエジプトへ入るしかない…」
「しかし、50日以内にDIOに出会わなければ!ホリィさんの命が危険なことは…前に言いましたな…」
「あの飛行機なら今ごろはカイロに着いているものを」
「50日以内にDIOを倒さなければならい……。けど、そんなこと本当に出来るの?敵のスタンド使いがまだいるっぽいし、ここからエジプトまでかなり距離が……」
「わかっている。しかし案ずるのはまだ早い……。100年前のジュールベルヌの小説では、80日間で世界一周4万キロ…を旅する話がある。汽車とか蒸気船の時代だぞ。飛行機でなくても、50日あれば一万キロのエジプトまでわけなく行けるさ。そこでルートだが、わしは海路で行くのを提案する。適当な大きさの船をチャーターし、マレーシア半島をまわってインド洋をつっきる…。いわば海のシルクロードを行くのだ」
「わたしもそれがいいと思う。陸は国境がめんどうだし、ヒマラヤや砂漠があって、もしトラブったら足どめをくらう危険がいっぱいだ」
「わたしはそんな所、両方とも行ったことがないのでなんともいえない。おふたりに従うよ」
「同じ」
「わたしも」
「だがやはり一番の危険はDIOがさし向けてくる『スタンド使い』だ!いかにしてみつからずにエジプトにもぐりこむか…」

「フフ、これはお茶のおかわりを欲しいのサインだよ。香港では茶ビンのフタをずらしておくと、おかわりを持ってきてくれるんだ」
「へー、花京院って物知りなのね。わたしそういうのは全然わからないわ」
「また人に、お茶を茶碗に注いでもらった時は、ひとさし指でトントンと2回テーブルを叩く。これが『ありがとう』のサインさ」

「すみません、ちょっといいですか?わたしはフランスから来た旅行者なんですが、どうも漢字がむずかしくてメニューがわかりません。助けてほしいのですが」
「やかましい。向こうへ行け」
「おいおい承太郎…まあいいじゃあないか、わしゃ何度も香港は来とるから、メニューぐらいの漢字はだいたいわかる。で…なにを注文したい?エビとアヒルとフカヒレとキノコの料理?」

「カエルの丸焼きと、貝と魚の料理………ですね。おかゆは美味しそう」
「わははははははは!ま…いいじゃあないか、みんなでたべよう。わしのおごりだ。なにを注文してもけっこううまいものよ。ワハハハハハハハ」
「手まひまかけてこさえてありますなあ、ほら、このニンジンの形。スターの形…。なんか見覚えあるなあ〜〜」

「そうそあ、わたしの知り合いが、首すじにこれと同じ形のアザを、もっていたな…」
「きさま!新手の…」
「ジョースターさんあぶないッ!」
「スタンドだッ!」
「『マジシャンズレッド』!」

「な…なんという剣さばきッ!」
「おれの『スタンド』は戦車のカードを持つ『銀の戦車(シルバーチャリオッツ)』!モハメドアヴドゥル。始末してほしいのはきさまからのようだな。そのテーブルに火時計を作った!火が12時を燃やすまでにきさまを殺す!!」




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