09
トロスト区の本部から離れリヴァイ班とレイラ班が向かっているのは、旧調査兵団本部。
エレンを連れ、馬を走らせる。
「古城を改装した施設ってだけあって趣とやらは一人前だが、こんなに壁と川から離れた所にある本部だなんて調査兵団には無用の長物だった。まだ志しだけは高かった結成当初の話だ。しかし、このでかいお飾りがお前を囲っておくのに最適な物件になるとはな」
「………」
「調子に乗るなよ新兵」
「、はい…?」
「巨人だか何だか知らんが、お前みたいなションベンくさいガキにリヴァイ兵長とレイラ副兵長がつきっきりにィ…ガリッ!!!」
何年も放置されていたそこは雑草が生い茂り、旧本部も荒れていた。
「あー…こりゃヒデェな……。ほんとに使えんのか?ここ」
「どうでしょう…。やはり掃除とか、雑草抜きとか、屋根の修理とかレンガの補強とか、私やった方がいいんでしょうか!!?」
「…取り敢えず落ち着けプードル。そんなに気になるならリヴァイに聞いてみろ。あいつなら絶対掃除はするハズだから」
「了解ですッ!!行ってきます!」
「………」
彼女の名はプードル・バック。
巨人討伐数24体、討伐補佐28体。
レイラの部下で、とても心配性でマイナス思考の持ち主なのだが、戦闘に関しては容赦無く巨人を狩る狩人プロだ。
「馬、繋いでおきましたよ。副兵長」
「ああ、ご苦労」
彼はビース・ドン。
巨人討伐数18体、討伐数24体。
当時若くして一人だけ調査兵団に入団を果たしたスーパールーキーだ。
唯一の欠点は上司に対してあまり敬語を使わず、チャラい所である。
「レイラ副兵長〜〜〜!リヴァイ兵長が城内の掃除を手伝え…じゃない!!手伝ってくれとの事です!!」
「お前いまレイラさんに手伝えって」
「ひいっ、間違えたんです!!だってリヴァイ兵長が手伝えって伝えろって…あああすみませぇええん!!!」
「謝らなくていいから。ほら、行くぞ。ビース、お前も来い」
「ウィース」
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