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一行は教室を出て廊下を歩く。

校内の電気はついておらず、窓から差し込むわずかな光だけが頼りだ。



「にしてもなんでみんな、こっちの世界に?普通の人間は此処には来られないハズなんだけど」

「どういうことですか?」

「ここはね、本来表の世界とは交わることのない世界なの。力のない人間はここには来れないし、出ることもできないから」

「ならどうして僕たちはここに?」

「わからない。偶然…ってわけでもなさそうだし、何か別の理由があるのかも。心当たりない?」

「いえ、僕は……。みなさんはどうですか?」

「俺はないな、つか話聞いててもよくわかんねえし」

「おれも〜」

「同じっス」

「話は理解できたが、俺も心当たりはないな」

「………」

「赤司くん?」



何も喋らない赤司に、黒子は声をかけた。

何か心当たりが?

そう言いたげにじっとミコトは赤司を見る。



「最近、昼夜関係なくずっと誰かに見られているような視線を感じていたんだが……。いや、まさかな」

「視線?」

「そこに目を向けても誰もいないんだ。家にいても学校にいても、部活中でも、いつも誰かに見られている気配がして」

「それはいつから?」

「丁度一ヶ月くらい前からだな」



ミコトは腕を組み、その近くの壁に寄りかかった。

いや、まさか…。

でも可能性はある。

だって今ここにいる彼らは、全員バスケ部員だから。




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