知っているけれど

.


『西谷先輩…今日もかっこいいな』


今にも消えてしまいそうなか細い声でそうつぶやいたあきは声同様泣きそうな顔をしていて


「俺だったら泣かせないのに」

その言葉は隣にいたあきが気づかないわけもなく

『どしたの日向。
なんだか暗い顔してるよ?』


あきのほうが泣きそうな顔してるじゃん、とか西谷先輩やめて俺にすればいいじゃん、とか言いたいことは沢山あるのに


「おれ、あきのこと好きだ」


叶わないことくらい知ってるけれど

『ありがとう。でも西谷先輩のことは諦めきれないの』なんて遂に涙をこぼしながら言うあきと俺の前を西谷先輩とその彼女が並んで歩いていって

ああ、なんで交わらない



−−−−−−−−−−
なんとなく、勝手なイメージでいうと日向は報われない恋をし続けそう


2015.09.27

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