すうぃーとすうぃーと | ナノ
少年いちご


「では竜崎ひとつだけ聞かせてくれ
あなたはさっき自分を負けず嫌いだと言っていたが
我々に顔を見せるという事が
あなたにとってキラに負けたことにはなっていないか?」

「そうです、顔を出した事も
FBI12人を犠牲にしてしまったことも…負けです
しかし 最後は勝ちます。
私も命を懸けた勝負は初めてです
ここに集った命懸けの人間で見せてやりましょうよ。
正義は必ず勝つという事を」


夜神さんの質問にそう答えて笑ったエルは
すごく良い顔をしていた。

事件を解決しようとする竜崎は
夢を追い続ける少年みたいだ。
女の私には、入る余地がない。
けどそんな彼の姿を見ているのが好き
なんて、片想いを続ける小学生の恋愛みたい。

そんなエルの笑顔を見て
ものすっごく抱きつきたくなったけど、今は我慢ね。


「ではまず、『この中にキラはいない』
それを明らかにする為に
一人ずつお話をさせて頂きたいのですが」

そら来たわ、
昨夜エルが言ってたキラ対策の面接。
給仕係らしくお茶でも用意しなくっちゃ!
あ、
それとエルが机に直接油性ペンで書いたメモ書き消すのも
きっと給仕係の役目なんだわ…
(本当子供みたいなんだから…後で叱らなくっちゃ。)

高まる皆さんをよそに
ふいに立ち上がったエル。
考え事かな、
一応着いてはいくけど
邪魔しないよう声は掛けずにじっと背中を見つめた。

近いのに届かない、背中。
この瞬間のエルの中にきっと私は、いない。
それが切ないような、
仕事に夢中になるエルは好きだから
かっこいいと思うような、
そんな色々混ざった不思議な気持ち。

好きよ、好きよエル。
だけど危ないことはしないでね。
命を懸けるのは駄目よ。

まだ始まったばかり。
いや、ここからが本番ね。
私は私の出来ることを、
エルのために精一杯やってみせるわ。

彼の白い背中を見つめながら
そんな決意を胸にした








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