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嫉妬いちご


「それでその時局長がねっ、」


「あはははやだ松田さんおもしろーい!」


エルが捜査本部の皆さん一人一人と話してる間に
私は松田さんとすっかり仲良しになってしまった!
まぁ年も近いから
1番絡みやすそうなのは松田さんだなーって
最初に会った時から思ってたし。

相手の素性を調査するのだって
捜査の一貫としてあることなんだから
別に悪いことではないはずよ!
そもそも松田さん容疑者じゃなくて
捜査本部の仲間だし。
余計に仲良くなって悪いことはないはず。
(エルは嫉妬するかしら。…可愛いからいっか!)


「とっ、ところでまゆちゃん
かっ、彼氏とかいるの…?」


うえっ、と、思わず動揺して変な声が出る。
その時部屋の扉が開いた!
面接を終えたエルと夜神局長が帰ってきたみたい!
た、助かったー!と思うのも束の間、
エルは私と松田さんが仲良くなったことを見抜いたのか
すぐ眉間に皺を寄せ唇を尖らせた不機嫌な表情になった。
(かっ、可愛い…!)
そして私が真っ先に怒られると思っていた夜神局長よりも
口を開くのが早かったのはエルだった。


「…松田さん。
まゆさんは私の給仕係ですよ?
やましいことを考えないでください。」


…やけに『私の』を強調したがるなあー
私の、って給仕係なんだから
エル以外にだってお茶くらいいれるわよ!!


「そっ、そんな、やましいことなんて…!」


やばい。これは本気で怒ってる顔だわ。
嫉妬してるエルは本当に可愛いし
もっと見ていたいけど、
松田さんがあまりにも可哀想で見てられないので
逃げるためにそっと部屋を出ようとした。


「まゆさん。
どこへ行くんですか。」


何で気づくのよ!放っといてよ!


「え、えーと、お茶をいれに…」


「その必要はありません。
もうすぐワタリが来ます。」


それを聞いて
ワタリさんが来る事に驚く皆さんとは違い私は落胆した。
もし私が本当の給仕係だったとしても
あの人の紅茶には敵うはずがないもの。
今給仕を言い訳に逃げることは不可能なんだわ!
諦めてソファーに戻った。

松田さんは今度は夜神局長に怒られている。
本当にやましい事がないのなら
仲良くなるのくらい怒られることなんてないのに
松田さん、気の毒だわ…

ワタリさん早く来ないかしら。
逃げる場所がないのなら
せめて一級の紅茶で和みたいものだわ。














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