宝石とさよなら | ナノ


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オウメイとマジュが一足先に到着しており、最後になると思われたナマエ達もチクマより前に集合することが出来た。
道の先で集合場所の砂岩の砦を前にして意外だと口笛を吹いたチクマが最後なのだが、駆け足することもなくのったりとその身を進める。
案の定視界に入れといて待たせるなと言いたげにイライラしだしたサソリを横でナマエが宥めている。
んー、これ我愛羅が見てたら面白いことになってたなぁなんて思いつつも口に出さず、仕方ないと足を少しだけはやめる。

「いやーみんな悪いね!それじゃあマジュ、先頭頼むよ」
「了解リーダー任せてヨ」
バッチリ先導しちゃうからネと全員分の通行証を受付から受け取ったマジュがそれを各々へと配布する。
じゃあ最後尾は自分がとチクマの後ろに回りかけたオウメイを止め、ナマエはマジュの隣で二列がいいと提案した。
「この中で一番戦力があるのはサソリだから私たちを後ろに、チクマちゃんを守る陣形のほうが良いと思う」
「……輪形陣ってことかな?」
「そうだ、オレと一番連携取れるのはこいつだから横にコレを置きたい」
「同じ戦力の人間に守られるのは性に合わないんだけどな」
唸り考え込むチクマにお前が寝込んでる間、使いやすいように仕込んどいたからそれなりに戦力があるようなやつよりやりやすいんだと首を振りながら訴える。

「それとも御上みたいに寝首をかかれるとでも思ってるのか?」
「私が信用してないのは戦力だけだよ、まあグダグダしてても仕方ないしそれでやってみよう」
私の頭に詰まってる情報が目的のやつらも来ると思うから気を張りなさいとナマエの肩を叩き注意すると少し先で足を止めていたマジュに「問題解決、オウメイと前で走って」と手をあげ先に進んでいった。

「修行通りやれよ」
「うん。サソリって案外面倒見いいところあるよね、私そういうところ好き」
「お前そういう槍とか降りそうなこと言うなよ、云十年かけて制作したオレの傀儡衆もいねぇし攻撃はともかく範囲防御できねえんだから」
苦虫をかみつぶしたような顔で突っ込んだサソリをからからと砂隠れの気候のように笑うとナマエは足元の砂で音を立てた。


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