宝石とさよなら | ナノ


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サソリも事務仕事を共にやっていたのだが、半目の奥から隠しきれない胡散臭さと殺気に一般人――砂隠れの里に一時避難してきた町人達――が怯えてしまったためシュデンやテッカン、バキと共に本部へと持っていく兵糧や武器の確認をするほうへ回されてしまった。
サソリ自体はそんな気はさらさらなかったのだがしみついた血の匂いまでは取れないということなのだろう。
自身の荷物を持ちサソリを呼びに里を駆ける。
瞬身を使用でき、比較的チャクラもあるシュデン達と違い自分たちは戦闘面に問題ありが集まっている。
足手まといを連れた大きい的よりは小さく隠れながら移動した方が双方無事にあちらにたどり着ける確率が高いとチクマが寝込んでいるうちに判断を下した情報部隊は、彼らと別で動くため出国が早めになっているのだが、今朝もサソリはいつも通りだったからそれが今日だと覚えていないかもしれない。
帰らず参加すると断言した手前遅刻はまずい。準備ができていなければ集合までギリギリ間に合うかどうかくらいだと焦りナマエはさらに足を速めた。

「サソッ……おお準備できてる」
そんなナマエの心配は杞憂に終わり、カンクロウと並んで話し込んでいた傀儡はきちんと顔布も巻いている。
ナマエが駆けてくるのに気づいたカンクロウが自分よりいくばくか身長の低いサソリに告げると、足元にあった荷物を指で引っ掛け片手をひらりとあげた。
「数日で物忘れてたら忍なんて出来ねぇっつーの」
「忍ほんとなんなの……、まあいいや。それじゃあカンクロウくん先に行くね」
「ただでさえ戦えないんだから気を付けるじゃん」
「うん、まあ二人が作ってくれた仕込みもちゃんと持ったから大丈夫だと思う」
にこりと笑い胸を叩いたナマエに「やっぱりナマエの近くにいると平和ボケしそうじゃん」と苦笑する。
失礼でしょうとカンクロウの胸に一発拳を入れるフリをして笑うとサボテンは回転草のオイラクさんに頼んどいてと手をあげ踵を返した。


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