宝石とさよなら | ナノ


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家主のいない離れへと移動した3人はそれぞれ腕を組みソファーに腰を下ろしていた。
人間であるシュデンとテッカンの前にお茶を置くと、なぜか隣を開けてくれているサソリの横にちょこんと座る。
ぶすくれたシュデンの顔を見、苦笑するテッカンが切り出した。

「とりあえず間に合ってよかった。まあ、怪我はなさそう……だな」
「はい、おかげさまで」
二人が早く来てくれたおかげですと湯飲みを片手に再度礼を告げるナマエに不機嫌そうに「で?」と尋ねるシュデン。
「お前らどこにも自分の存在を漏らしてないよな?」
「私はない、サソリは?」
「オレもねぇよ、そもそもこいつについてく時以外里からすら出れねぇし今まで築きあげてきたパイプも全カットしただろうが」
それに関しては眼鏡女あたりに聞いてくれて構わねぇぞ、あいつのパイプなら確認程度すぐなはずだぜと返したサソリの挑発に乗ることなく、フンと鼻で笑う。

「チクマにはしっかり休んでもらわんと困る、そんなくだらないことでやつのチャクラは減らさん」
「つまらねぇな、まあいい話を戻す。オレの術が向こうにバレてるのはまあわかるがなんでこいつの身体が死人を使っていることすらばれてるんだ?」
「サソリのおかげで由良のようなスパイのあぶり出しは終わったと思ったが、まだ網の目を抜けた人間が?」
「それはないはずです、チクマちゃんがさんざん確認してましたし……」
木の葉は拷問程度でほぼ私の身体のことを知らないし、知っていても綱手様と他数人のみのはずだ。
散々手伝わされているしチクマちゃんたちが見落としをする事もないはずだ。スパイ、裏切りの線はどうしても考えられなかった。

「……あの特殊な時空間忍術を使ってマタンさんのところにあるカルテを見たとか……」
「それは非現実的すぎ……いや、おい大蛇丸がくたばった後あいつのの部下はどうなってる?」
片足を立て、そこに肘を置いていたサソリがはっとし顔をあげた。サソリ以外は特に気づいたことはなく彼を怪訝そうに見やる。
「世話人が居なくて餓死か、脱獄か、サスケに付いたかの3通りだったはずだが……」
応えたテッカンに「サスケのバックには誰がいる?」と確認するように追加で問うサソリの勢いに戸惑いつつ3人の名前を挙げれば前のめりになっていた傀儡はどかりとぶつからないよう器用に背もたれに体を預けた。
「薬師カブトがマダラについたな、大蛇丸のところにもナマエの身体についてカルテがあったはずだ」
勢力から孤立したままより傘下に潜り込んだ方が生存確率も高い。おそらく、いや断言していい。その時に情報を売られたと言い切ったサソリはひとつ大きく舌打ちをした。


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