宝石とさよなら | ナノ


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「須佐能乎っていうのはそれこそ比べられるものがないほどの強大な闇の力だ。耐性がなければ触れた瞬間から蒸発するっていうのはさすがに冗談だが、動けなくはなると思うよ」
うちはでも使える人間が稀でね、あれを使うまでに成長されるとこちらではなかなか手出しがし辛いんだけど……、めんどくさいことになってきたね。
我愛羅たちから聞いたところ、子供時代はそれほど冷静じゃないと聞いている。影はあれどもそれなりに普通の子供だったらしい。まあ我愛羅が自分と似ていると評していたから普通の子供では確実にないんだけども。
それで、一人であれを使えるほどのではないと仮定すると、やはり襲撃者の四人とさっき報告された白い変な奴以外にもスポンサーがいそうだな。
うちは唯一といっていい生き残りのサスケを使って何かをしようとしているのだろうけど、今の私じゃさっぱり見当はつかない。判断材料が少なすぎる。
私たちに聞こえる様に独り言を整理しだしたチクマちゃんではなく私をサソリは呼び、意識を向けさせた。

「わかったな、テメェが手に負える奴じゃねえのが」
話し合いで解決しようとするな。隙を見せれば殺るぞアレは。そう発したサソリにおとなしく頷く。
相手を見てもその強さを推定できないが、説明されればわからなくもないのだ。ただ、敵に出くわせば口頭説明している暇などないのだが……。
任務を下した彼女自身がこれ以上の続行は無意味だと判断し、ナマエの名を呼んだ。
「……」
「私がナマエに頼んでいたことは、うちはサスケがダンゾウを狙って鉄の国に侵入しようと向かっているらしいことを代表か準ずる人間に伝えること。そして月の桂が鉄の国にいれば速やかに情報交換を終え、暁滅亡までの同盟または一時的な共同戦線体勢を結ぶことだったね?」
確認するようなチクマの声色に頷きその通りだと返した。何も成果が得られぬまま帰って来いと、彼女は言うのだろうか。
我愛羅にも頼まれていたのにうまく話を運べなかったと悔しさに唇を噛んだナマエの脳裏でそれじゃあ最後にもう一つ任務をお願いしたいんだよねとチクマが目を細めた。

「ナマエ一人で鉄の国入口付近をうろつき、ダンゾウと接触すること」
「なっ、おい待て眼鏡!こいつの能力がアカデミー生並みだってわかって……」
「わかってるわかってる、でもナマエはあの狸にとってめちゃくちゃ好餌なの。サソリは感知の届かないギリギリの場所で待機、移動したら距離を置いて追跡」
持たせた巾着を開けなさい、増幅丸とかのなかに一つ違うものが入ってるでしょう?今からそれの使い方を教えるわと楽しそうに言うチクマにナマエはまだできることがあるのだと少しだけ嬉しそうに返事を返した。


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