宝石とさよなら | ナノ


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「んで、なんでテメェはテメェでだんまり決め込んでんだよ、ああ?」
こっちがキャラを変えてまでこいつを小突いてやってるのにと、自らが慣れないことを勝手にやりだしたのに恥ずかしく感じているのかチクマに当たりだした。
それをぬるりとかわすと笑いながらサソリをいなす。
「ん?いやだって私は関係ないじゃないか、ナマエの問題だしフォローなんて意味がないし。大体我愛羅にもそう伝えてるんだし私の出る幕なんてないだろう?」
全部事実だしできること出来ないことくらいそろそろわかってもらわないと使えないし、ナマエの通信だけを切ってサソリと会話をするチクマ。

「ぶっちゃけ挫折した人間の気持ちなんて私たち一族には、いや、砂の忍にはわからないんじゃない?」
三人は羅砂様の遺伝もあるだろうけど血筋が成功者でしかないし、アンタもチヨ様の血を引く天才肌だ。
テッカンは天性の足を持ってるし私は一族の血、血筋も何もかもない一般から砂に来たのはナマエの周りだとマタンとシュデンくらいだけど彼らは相応の努力をしてこの地位にいる。
確かに私の頭にはそういう人たちのデータは入ってるし、抜け出した人の話も耳に入ってる。だが他人から指示された通りにやったところで絡繰りとか傀儡にしかならん。

「それに、人間になりたいと豪語したナマエがひたすら支持を待つなんてお笑い種じゃないか。だから私は見捨てるよ」
「さては眼鏡女、テメェもキレてんな?」
「ははは、どうだろうね?ナマエのいた世界、住んでいた国では表面上の戦争はないとか言ってたけど随分と歪んだ傀儡を作り出してるなとは思うよ」
上の指示に流される方が確かに楽だけど生にすら無頓着だとは思っていなかった。“美しい”自己犠牲も“何も考えてない”んだから笑えるよね。
ハイ終わり終わり。これ以上ナマエに対しての文句を言っててもしゃあないだろ。時間の無駄だよ。
そういうと消していた通信を再度つけ、「さてさて、待たせた。うちはサスケが須佐能乎を使いだしたことには驚いた」と何事もなかったかのように取り繕うチクマだったが、サソリの言葉を反芻していたナマエは気づかずいつも通りの声色で返事を返した。



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