宝石とさよなら | ナノ


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道中助けを求める声をすべて切り捨てたナマエが長い通路を駆け抜け会場の外観が和風なピラミッドの建造物の中に入った瞬間足元の磨かれた石が悲鳴を立てて割れた。
悲鳴を上げて脇に転がり避けたナマエと同じ方向に跳んだサソリが背中のストックにはめていた巻物を一つ抜くと、封印していた傀儡を展開させていく。

より一層硬化させた面を背負うヒルコの背に飛び乗ると着地に失敗し全身を打った痛みに耐えるナマエの前に躍り出て盾を作った。
「……その傀儡、暁のサソリはまだ生きていたのか!?」

ヒルコの登場に雷影とサスケ以外の視線が傀儡を操る人物へと注がれる。
顔布でその長いまつげと双眸以外を覆い隠しているサソリは指を動かし、ヒルコの尾を使って真後ろで目を白黒させているナマエをはたくとその場で自分に注目する彼らに向かって「“暁”のサソリは死んだ、こいつは砂が回収し修理しただけだ」と言い放った。
確かに嘘は言っていないな。ナマエと違い通信を切らずにいたサソリの脳にチクマの苦笑染みた突っ込みが入れられた。

「おっさんふざけんな!噎せてる人間の不意を狙って叩かないでよ」
空気を読んで固有名詞を発さずに涙目で文句を口にするナマエが立ち上がり、現状を確認しようと視界を三転回す。
そこに我愛羅たちがいないのを確認すると安堵したような溜息を漏らし、顔についた砂を袖で拭うと静かに身体の中でチャクラを練り始めた。

「おっさん、知り合いは?」
「いねぇな、鉄の大将と共にいたまんまなんじゃねえか?」
「なるほ…っど!」
背後から迫ってきた首切り包丁を間一髪で避けるとその巨大な鉄の塊に幾重にも糸を括りつけたサソリのチャクラに這わせるように電撃を走らせた。



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