宝石とさよなら | ナノ


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「五影の笠を前へ。この場を預かるミフネと申す、これより五影会談を始める」

ミフネの厳粛な挨拶を口火に一同は探り合う様に互いを視界に入れた。
すぐに口を開いた我愛羅に対し土影がからかいの言葉を投げそれをとがめる水影と一発即発の気配に上で会議を見守っている各国二人ずつの護衛もピリリと空気を震わせる。
姉、兄として我愛羅に対する土影の態度には一言物申したかったがそれを我慢し押しとどめると、我愛羅は土影の言葉に笑う。
影にはそのくらい面の皮が厚くなければなれないのだろう?貴方も里の者を守るために幾重にも層を重ねているはずだとやや喧嘩腰の皮肉を返しまさか突っかかってくるとは思ってなかったと土影も笑った。

「……ナマエの悪口じゃなければあいつはホントに寛容だよな」
「まあ教育に関しては事実だしな。アカデミーに行かず夜叉丸とナマエ、あとキンコウ先生が教えてたんだし」

情緒なんていまだに教え込んでいる途中じゃないかと隣の弟に耳打ちし再び前を向いたテマリにカンクロウは肩を竦めて同意した。
じっと一点のみに集中させていた護衛たちが張り詰めた空気を読み、チャクラを放出させた雷影の前に各々の武器を向けた。

だが雲隠れも黙っているはずもなく雷影を守るように二人の護衛が盾になる。
この会議でまだ一言も発せず静止していたダンゾウの言葉に頷き上に戻った護衛二人をちらりと観察しつつ、扇子と傀儡をそれぞれ構える姉と兄に大丈夫だからと返す。
これ以上の争い事をこの場で起こすならと静を保ったままミフネが声を出したのを皮切りに次々戻っていき雷影の前の破片の生成された机以外は先ほどの状態に戻った。
サソリに託された師匠の父と母を再び巻物に封印すると心配そうに一瞥してからそれを背中に戻した。


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