宝石とさよなら | ナノ


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「会議前の貴重なお時間ありがとうございます」
かしこまったナマエの態度に護衛で囲まれたミフネはそう固くならずともよいと新しく持ってこさせた茶を差し出す。
それに口をつけると音が鳴らないよう小指を下敷きにし器用に机に置いた。
通信も電波ではないからジャミングもとい妨害が入ることはないしチャクラの温存量もサソリいわく十分だと言われたしきっとチクマちゃんからもらった丸薬も使うことはないだろう。
緊張しているかと通信越しに問う上司に少しと苦笑いしミフネへと向き直った。彼の隣には鉄の月の桂の民だというタガヤと呼ばれた男が座している。


「まずは顔を出せずに申し訳ない。これについてはそちらの月の桂も会談には顔を出さないのと同じ理由です」
「なるほど、厄介なのがあの中に居るでござるか」
「話が早くて助かります」
会談には自分が付いていきたいと我愛羅君のもとに直願しに行くほどだったチクマちゃんが直前でドタキャンし私を代わりに遣わせたほどの人物を厄介の一言で済ませてしまった大将に目を見開く。
じっとこちらを見つめる彼の深い慈愛の眼に吸い寄せられるように目を合わせた。
心を読む、気を読む。鉄の国の侍はそういうことができると聞いていたのできっと今自分は心を探られているのだろう。
ただ忍のように最初から疑いの目にさらされるよりは幾分もマシだった。

苦笑と長い長い溜息を一つ吐いてから、チクマちゃんが通信越しに鼓膜を擽る。
「暁の活動が活発化してから再三各国に連合軍の申し出を募ってきた」
だがそれに賛同してくれたものは現在倒れている五代目火影の綱手様だけ、この話は鉄にも書を送らせてもらっているしミフネ様の耳にも入っているかと思われます。
……、それから大国同士が手を取り合うことはなくても…と我々砂は秘密裏に会談を行っていた。
そのたびに妨害してきたのが現代理殿だった。
「なぜ今さらになって連合軍へ乗り気になったのかわからないが、あの代理殿は信用に欠ける。本会談ではきっと……、あの子は何も言わないと思うが。これが私たちの総意である」
注視を解くことはできないと木の葉に対する不信感をあらわにし、目の前に座る彼らにつられるように瞬きして口を閉じた私の言葉にわかりやすいほどの動揺を見せていた。



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