宝石とさよなら | ナノ


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「雷影殿と火影殿がまだ到着しておらん、しばらく待機してくださるとありがたい」
「わかった。そのようにしよう」
案内された広い和室に荷物を下ろし、用意してもらった熱いお茶を啜る。
冷えた体に染み渡る暖かさを実感しながら呼ばれるまで待機していたがどうやら会談の案内ではないようだった。

ペインによる木の葉への強襲によりチャクラ不足が続いていた綱手は峠を越えたもののいまだ不安定な状態が続いているらしい。
安静にしておかなければならない為会談に出れないと付き人のシズネからの……、そして怪しまれないようあえて宛先にテマリを選んだらしいシカマルからの我愛羅への密書により、現火影代理への印象が悪い自分たちは無関心を装う仮面の下でさらにダンゾウへの印象を悪くする。
ただ流石に気を読むことに長けている侍たちは一番隠し事が苦手なナマエの眉が微かに動いたことに気づいたようだった。
ちらりと一瞥し、会談前に悶着起こされるのはホスト国として困ると考え話を変えようと切り出す。

「それと風影殿、会議前に一つ確認したいことがある。申し訳ないのだが会談に連れて行けるのは二人までと決まっているのでな、今のうちに誰にするのか聞いておきたいのだが……」
「ああすまない。テマリとカンクロウ、だ。ナマエたちは貴方がたに用があるらしくてな」
入国も渋られると考えていたナマエたちがそのまま招き入れられたことですっかり忘れていたのだと謝罪する我愛羅がナマエの背を押した。
ずっと共に暮らしている二人だからこそ一瞬のみの瞬きすらしないアイコンタクトで頼むぞと会話をすると、そのまま一歩前に出て膝に手をつき畳に正座し我愛羅に確認をとっていたミフネへと口を開いた。
「初めましてミフネ様。遅くなりましたが私は砂の月の桂の使い、ミョウジナマエと申します」
こちらは私の護衛です、何分戦力がないもので。以後お見知りおきをと畳に正座し深々と頭を下げたナマエと軽く頭を下げ挨拶をする顔布で双眸以外見えない男に侍のミフネも体の脇に拳をつきこれはご丁寧にどうもと頭を下げる。

「月の桂……、国交のない自分たちの元に来れば他国からの目が厳しくなると考えたでござるか」
「はい、この会談で他の国がどう動くかはわかりませんが現状お話ができそうなのは中立国のこちらだけでしたので」
本人が少々訳ありで出向くことができず鉄との通信係としてついてきたのですが、鉄の国には一族の方はいらっしゃいますでしょうか?
ナマエの丁寧な口調に緊急事態なのかと身構えていたミフネが多少脱力し、まだ二国とも見えないようだから先に話を聞こうと癖なのか居合膝で立ち上がったミフネに、ナマエとサソリは立ち上がりついていった。


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