宝石とさよなら | ナノ


▼ 471



「……まあいいや、ナマエかサソリは移動中どっちか必ず私と通信繋げといてもらえる?」
一か所に五影が集まるなんて初代以来の出来事だから襲撃するなら確実にこの時を狙ってくるだろうしすぐに応援を向かわせるからと小さめの声量で簡潔に述べる。
見送りの忍たちの声でその言葉はほぼかき消されかけていたし聞こえていたのは私とサソリぐらいだろう。
わかったと答える私の目の前で手にあったファイルを開いたチクマちゃんが二枚の書類をフィルムからずらす。

「ナマエ、血印」
「……?」
何の話なんだと問う前にローブの中で核の根っこのような部分を少し傷つけ指を紅く染めたサソリが隣から腕を伸ばし、書類の一枚に先に押し付ける。
「あの時お前にだけはやらせねぇっつってたんはどうしたんだ?」
「いいようにとってくれて構わないよ。ナマエもここに押してくれ」
これはただの……、所謂テレパシーみたいに脳内で会話できる契約だからと安心させるようにナマエに微笑みを浮かべるチクマに隣でも不便だから契約結んどけと背中を押される。
二人を交互に視界に入れ、ポーチからそろそろ握りなれてきたクナイを取り出すとぷ釣りと細胞を傷つけにじみ出た紅にチャクラを混ぜながら同じように押し付けた。
途端に脳内に入ってきた二人の声にびくりと小さく飛び上がれば口元は一切動かしてないチクマの笑い声が頭に響いた。

おお、目の前でやってるとこ見たの初めて……、これすごいわ……。
一通り感心したナマエが「ええと、私の言葉も聞こえてますか?」といつも通信時にやっているようにチャクラを微量に渡らせれば親指と人差し指で輪を作ったチクマが「それじゃあ例の任務も頼んだよ」と書類を元に戻し三姉弟のもとへと背中を押した。



_



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -