宝石とさよなら | ナノ


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言われてみればその通りだ。ゲームだって漫画だってボスの立場である人物が先鋒を切るなんて話聞いたことがない。
それに気づかなかったのは私がただの平和ボケだからなのか、それとも戦人のような考え方をすることを無意識に拒否しているからなのか。

とっくに思考を停止させてしまっていたことに気づき恐怖を覚えふるりと体を揺らしたナマエを心配そうな顔で一瞥し、それでも情報を得ようと我愛羅はサソリへ向き直る。
「サソリ、暁が尾獣を集めている目的は?」
「悪ィがそいつに関してはオレも知らねぇ」
知ってるのは暁の活動内容が傭兵のようなことだった、ということと尾獣を順に封印してたことくらいだ。
自分がかかわっていたこと以外はわからん、大蛇丸がいればそれ以上の情報が手に入ったかもしれねぇがあいにく俺は自分のこと以外に興味はなかったからなと首を振られ卓上で腕を組みそうかとそこに顔を埋めた。

少し前から……時期を突っ込んで言えば例のアカデミー生たちによる襲撃事件辺りから、元暁の構成員という立場ではなく砂の忍へ気持ちが転向したらしいサソリは自身の知っている情報を小出しにしはじめてはいたが、深夜に話し込んでいること以外にもう新しい情報はないらしく、再度我愛羅に対し悪ィなと目を細めひらりと両手を一振りした。
そんなサソリの隣でショックから立ち直ってはいなかったが意識を戻していたナマエは黙り込んでしまった風影の次の言葉を待つが、それに気づいた我愛羅は今回はサソリに尋ねたかっただけなんだと謝る。
どちらか一人を呼びつけたいときも必ずペアで呼ぶことになってしまった為最近はこうやってどちらかが無駄足を運ぶことも少なくない。
自身がサソリと立ち位置を変えたいだの呼びつけておいて何でもないという申し訳なさだのが混じりなんとも言えない表情を浮かべる我愛羅にナマエは気にするなと答え業務に戻ることにした。


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