宝石とさよなら | ナノ


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弁当に異様な執着を見せた我愛羅も大人しく業務に戻り、ナマエの姿とタイミングに怒り心頭で出て行ったもののいつもと変わらずそ自身の主人が帰ってくるまでにすでに業務を始めているシュデンは、我愛羅が席に着いた途端我愛羅に束ねておいた書類を渡した。
それと、先日の中忍試験に対して各国からの意見が届きましたので一応目を通して置いてくださいと急ぎではないことを一言前に置いてから重ねて書類の束を渡す。
バックアップに対する意見書だがパラリと公平であったかどうかの部分だけを見、まあまあだなと端に追いやった。
贔屓していたと糾弾されれば戦争になりかねない。信用に値するかの評価は大事だからと経験則から学んだ我愛羅は先ほどまでテマリを追いかけまわしていたのを微塵も感じさせることなく手元の書類を処理し始めた。


「サソリ、生きてる?」
生きてるに決まってんだろ舐めてんのかと突っ込みが来るかと噛んだが、奥から気の抜けたおーという声だけが聞こえ約三週間ぶりの工房へ足を踏み入れる。
カンクロウ君が出入りしていたが、何故か様子を見に来た私は追い返されていた為進行状況と事態のの想像がつかない。まさか呼称はしていないだろうが傀儡も疲労するのかと小さな発見をしてしまった。
傀儡バカ――と言ったら少々語弊があるがてんで見当違いの方向ではない為構わないだろう――二人の事だから内緒で連日酒盛りという事もないだろうが美術的なことに関しててんで素人な私がまあ期待値は低めに設置しておくべきかと逃げ水の塔で見た設計のラフから霞をかけつつ想像する。
もわもわと霧のかかった完成予想図を脳裏に描き、工房にいないことに気付くとその足で地下へと向かえば何ともまあ気の抜けた声で出迎えてくれた。

「よぉ弟子一号」
「いつの間に二号が出来たの……」
「慣れたと思ったら毎日のように来やがってウザかったから弟子にした」
なるほどカンクロウ君の事かと納得した。ただウザかったから弟子にしたって言葉は可哀想だからやめてあげてください。
「それで、進行状況は?石英は足りてる?」
「関節はやっぱり弱い、摩擦ですぐにおじゃんだからもう少し考えねえといけねえが……」
そこの布を取ってみろとサソリの指さした方向に視線を向けた。


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