まさか"こっち"にいるなんて


ドレスを着てバドワさんに見せたらよく似合っていると言ってもらえた
ヘアメイクをバドワさんにしてもらう
彼女も一緒にパーティ会場へ付き添ってもらう予定だ

ドレスと一緒に買った赤のポーチにジュペたんのボールと一応財布、ハンカチティッシュを入れて会場へ行く

会場へ入るとたくさんの人がいた
私が入るとみんなの視線が私に向く
まあアルビノは珍しいししょうがないと自分に言い聞かせて父のところへ行く
父は強面の人と話をしているところだったらしい
邪魔をしてはいけないと料理のあるテーブルに行く
いろいろな料理が並べられていてどれを食べようかと迷いながらお皿をとろうとしたら、近くにいた男性もお皿をとろうとしたらしく、地があたってしまった
「すいません」と言いながら手を引こうとしたらそのまま手をつかまれてしまった
どうしていいかわからず「あの…?」と言ってみたが男性は固まっている
うーんどこかで見たような気がするのだがこの世界の知り合いは数える程度なので気のせいかと思うことにした
バドワさんに助けを求めることにしy「エリオ…?」
ん?なんでこの人は私の名前を知ってるんだ?
「いや、人違いだろう ごめんね、いきなり手つかんじゃって」
はにかみながら恥ずかしそうに笑う男性
「いえ…大丈夫です」そういいながら手を離してもらう
「いやー昔の知り合いによく似ててね もう会えないことわかってはいたんだけど、君があまりにも彼女に似ていてね、つい  まあ彼女は黒髪黒目だったけどね」
前世の私は黒髪黒目だ 前世の私によく似た人をこの男性は知っているのか
「俺あいz…あぁいや、ハルトって言うんだ 君は?」
…ハルト…どこかで聞いた名前だな…もしかして
「…ハルト…相澤 春斗…? もしかして中学高校なぜか6年間同じクラスだった相澤春斗?」
「…は、え、お、お前やっぱりエリオ!?」
「うわーひっさしぶりだねー ハルト 元気だった?」
まさか前世の知り合いがいるとは思わなかった
びっくりだ
顔が思いっきり違ってたのでわからなかった
「はぁ…まさかエリオが"こっち"にいるなんてな」
「いやー私もびっくりだよー まさか"はるちゃん"も"こっち"にきてたなんてねー」
「おいはるちゃん呼ぶな そっか、エリオも"こっち"に…てかなんでこのパーティに?」
「だって私社長の娘だし」
「は?まじで?」
「うん、まじまじ」
「まじか…あれだ、たぶん親父がうるさい」
「は?どゆこと?」
「社長の娘として公式の場にでるのお前初めてだったよな?親父が今日は社長の娘が来るからなんとしてでも取り入れってさ」
「ああ、はるちゃんも苦労してるんだね」
思わず苦笑する
なかなか大変だなあ
はるちゃんも笑顔が引きつっている
「お話中申し訳ございません エリオ様、だんな様が呼んでおられます」
「ああ はるちゃん、いってくるわ」
「だからはるちゃんと…まあいい、行ってこい」

父の元に行くとどうやら皆さんに挨拶のスピーチをするらしい
そのときに私を娘だと紹介するそうだ


「本日は皆様にご来場いただき−−−−−−−」
呼んだら来いと言われたが、やはりスピーチ長いな
はるちゃんに会ったからなにも食べてない…お腹すいたな
「娘を紹介したいと思います」
お?やっと私の出番か
「バドワさん、行って来るね」
「行ってらっしゃいませ、エリオ様」

壇上にあがるとやはりみなざわついている
え、あの子髪と目が… シッ聞こえるわよ! とか聞こえる
まあしょうがないか
「お初にお目にかかります グランド・オピニオンのカオル社長の娘のエリオと申します どうぞ皆様仲良くしてください」
あーやっちまったか?どこの転校生の挨拶だよ…
まあお父様は満足げにしてるのでよしとしよう
あ、はるちゃん発見
どこの転校生の挨拶だよとか笑ってやがる
くっそあとで覚えてろあいつ

拍手がちらほらあがるなか壇上を降りる
あーつかれた
お腹すいたなー
と思いながらバドワさんと料理を食べに行こうとしたら若い男の人がこぞってやってくる
「社長令嬢のエリオ様ですよね?少しお時間よろしいですか?」や「エリオ様、○○コーポレーションの○○と言います 少し話しませんか?」など
やっとの思い出はるちゃんのところへたどり着いたら難しい顔をしていた
どしたの?と言っても別に…としか帰ってこない
バドワさんに適当に料理を盛ってきてくれと頼みはるちゃんに向き直る
「親父さんとのあいさつ回りはいいのか?」
「いいのいいの めんどkなんでもない」
「おい今お前めんどくさいって言おうとしたよな?!おい?!」
「あーもううるさいな… あ、バドワさんありがとー」
料理を盛ったバドワさんが帰ってきた
嫌いなものは一つも皿の上には乗っていないあたりさすがである
「…今思ったけど、なんでメイドと一緒なんだ?」
料理をむしゃむしゃ食べていたとこにそう行って来た
「ん?いや別にいいっしょ」
「いやダメだとは言ってないけどさ ただ気になっただけ」
「ほら、あれだよ はるちゃんいるなんて知らなかったし、会うなんて思ってないから、この会場で素出せないのつらいなーとかめんどくさいなーとか思って素を出せるバドワさん連れてきたの」
「なるほどなー あ、よろしくねーバドワちゃん」
にこにこしながらバドワさんに手を差し出すはるちゃんだったが
「私は一介の使用人です、私はいないものとお思いくださいハルト様」
ふ よく言ったバドワさん はるちゃんなんかにバドワさんはあげない
笑顔で硬直してるはるちゃん
ギギギと音がしそうになりながらこちらに助けを求めるはるちゃん
「バドワさんは私が認識してればそれでいいの はるちゃんなんかがバドワさんみないで」
さらに固まった
目じりに涙がたまっていく
ッハ ざまあw
おっといかんキャラが崩れた←元から

「ハルト、こんなところにいたのか」
ん?はるちゃんのお父さんかな?
「すみません、お父様 こちらのご令嬢と話に夢中になっておりました」
うっわキャラちげー
うんまあ私もお父様の前じゃこんなんだしなー
「お初にお目にかかります エリオと申します 長い間ハルト様をお引止めしてしまって申し訳ありませんでした」
「! 社長令嬢のエリオ様ではありませんか いえいえお気になさらないでください どうかハルトとなかよくしてやってください」
まあこうなるだろうなあとは思ってたさ
「はい ありがとうございます」
「では私はこれで失礼しますね」
うまくやれよ とはるちゃんにボソっといっていたが聞こえているぞーい
「悪かったな」
「いやいやかまわんよ」
にしてもこの肉うまー
鳥のささ身っぽいけど
…今気づいたけどこの世界の鳥って…いや、まさか…
「どうした?なんか顔色悪くなってきたぞ」
「だ、大丈夫…ね、ねえバドワさん このお肉ってなんの肉?」
はるちゃんもハッとしたらしい 顔が青ざめてきている
「はい、こちらはピジョンのささみでございます」
…はい!アウトー!
いやー今まで気がつかずに食べてきたけど…これは…
「お、おいエリオ大丈夫か?」
いやお前が大丈夫か
顔が青いぞ
「エリオ様、お顔の色が優れないようですが…まっ、まさか料理に毒が…」
「大丈夫だよ、バドワさん」
ほら、あれだよ
前の世界でも動物の肉を食べてたじゃないか…
うん、そう思ったら気が楽になってきた
うまうま
「…エリオ…お前図太いんだな」
「はるちゃんは細かいなー いいんだよ 前とあんまかわんないことに気がついたから」
まあ確かに…とつぶやきながらそれでもまだ青い顔をしている

そんなこんなありながら今日はお開きと言うことになった
2次会があるらしいがいろいろショックをうけた私はもう寝ることにした

…あれ、ピジョンの肉だったんだ…

そう思いながらフカフカの布団にくるまって寝る







[ 9/21 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -