■ 4
誰かに揺さぶられたような気がして意識を取り戻した。
ソレはまだゆさゆさと俺を揺らしている。特に腰の辺りを。
「ん……?」
薄っすらと目を開けると、俺の腰に跨って仰け反って腰を振る不動がいた。下半身には何も身に着けず、息を飲むほどでかいモノを自ら扱きながら、陶然とした顔で荒い息をついていた。
「……っな、なにしてんだっおまっちょっ、何で俺のモンそんなとこにっ」
にちゃぐちゃと湿って粘ついた音を立てながら、俺のモノは不動の尻の中に忙しなく出たり入ったりしていた。
不動の中はひどく熱かった。触れ合っている肌も、しっとりと熱を帯びていた。濡れて蠢く粘膜にすっぽりと包まれたモノからぞくぞくと快感が伝わって、俺は顔をしかめた。
「不動っ、やめ、ろよっ」
肘をついて上体を起こし、不動の下から抜け出ようと足掻くが、快感に震える下半身に力が入らない。
「あー? んだよ、こんな、真っ最中、で、やめられっかよぉ」
不動の眼がとろりと潤んでみえる。明らかに酔ってるせいだけじゃない。後ろはひくひくと俺のモノを締め付けた。
「イイだろぉ? お前も、こんな、……ガチガチじゃねえか」
不動が後ろに手を回し、不動の中に埋まったままの俺の根元を撫でる。
「んぅっ……!」
更に少し腰を上げて裏側をこりこりと摘むように弄られて、俺は思わず腰を突き上げた。
「ぁうっ、んっ、よせよ、……んな強くしたら、イっちまうだろ?」
不動が腰をくねらせて悶えた。しらふで見たなら、気色悪いことこの上ない仕草だったが、このときの俺はどうかしていた。
上ずった声と、擦れあっている粘膜のせいで何か勘違いしたに違いない。あろうことか俺に跨って悶える不動を、色っぽい、とか、思った。
気がつけば手を伸ばして不動の肩を掴み、その汗の滲む首筋に舌を這わせていた。不動のうなじから饐えた男の臭いが漂ったが、その時はなぜかソレにすら欲情した。舐めるだけでは飽き足らず、軽く歯を立てて甘噛む。
「いっぁ、あっ……っ」
噛むたびに不動はびくりと体を震わせた。
俺の手は不動の服の裾をまくって、ごつごつとした腹筋を撫で上げて、盛り上がった胸を掴む。女のように柔らかくはないが、皮膚の下で蠢く筋肉の独特の触感は悪くなかった。胸を揉みしだきながら、手のひらで乳首を転がすように擦った。
「はっぁ、あぅっ、イ、イイっ、あっ、平沼ァ」
不動の声がねだる。
黒いTシャツを胸までまくる。左胸の傷はまだ地血に濡れていたが、さほど大きな傷ではなくなっていた。俺は胸に口づけて、思ったよりも粒の大きい乳首を舐めた。
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