■ 5


「ふ、っンン、あっぁあっ、あ、ああっ」

 そこを弄られ慣れているのか不動の反応は激しい。俺の頭を両手で抱いて更に強い刺激を求めるように喘ぐ。

 硬く尖った乳首を舌先で弾くように嬲り、口に含んで舐めしゃぶって吸ってやると、不動は背を仰け反らせて呻いた。

「んんぁっ、イイっ、あっ、ィイっ、ひ、らぬまァ、イっちま……っぅっ」

 不動は休めていた腰を再び上下に揺らしながら、中を抉るように回す。胸を吸うたびに不動の直腸がきゅっと締まった。そのまま不動が腰を振れば、俺のモノは引き千切られそうだった。

 吸い上げられるような締め付けに、俺の息もあがる。不動の腰の動きが早くなる。空気を含んだ粘液が、孔の淵でぶちゅぶちゅと厭らしい音を立てて泡立つ。

「う゛ぅっ、んんンっぁ、んっ、あ゛っイクっ、あぁっ、イく……ぅっ!」

 不動の声が切羽詰ると同時に腰の速さも増して、繋がった部分の肉が溶けるんじゃないかと思うほど熱く擦れ、俺は口に含んだ乳首に無意識に強く歯を立てた。

「あ゛あ゛ぁっ、イっ、あっ、ぁああ゛っ」

 不動の絶叫と同時に俺は堪えていた白濁を不動の中に放った。射精の強烈な快感が熱くいきり立ったモノの真ん中を駆け抜けていく。

 不動も達したようだったが、不動のモノは大きく脈打ってとろりと透明な体液を吐いただけだった。

「ふ、あ、ぁあ、いい……すげぇ、濃い、お前の……熱ぃ……っ」

 ぬめる雄を扱きながら、不動はゆらゆらと腰を動かす。俺の精液を残らず吸い尽くそうというように入り口がきゅっと締まった。

 俺は不動の胸に顔を埋めて、荒く息をつく。
 しばらく恋人もいなかったし、行為自体が久しぶりだった。

「なあ、平沼ぁ。キスしねえか?」

 不動が熱い吐息とともに囁く。

 俺は、熱を吐き出したおかげで少し冷静さを取り戻していた。
 不動の胸から顔をあげ、頬を摺り寄せる不動の髭面を押しやる。

「嫌だ、なんでキスなんか。もういいから早くどけ」
「冷てえな。いいじゃねえか、お前のだってまだこんなに硬ぇよ」

 不動が少しだけ腰を揺らすと、確かにまだ芯を持った俺のモノが不動の中を擦る。俺はパシンと不動を尻を叩く。

「この年で連チャンなんかできるか。どけ」
「まだ三十八だろうが、余裕でイケるって」
「後がだるいんだよ」
「だから、キスしよーぜって」

 不動はぺろりと自分の唇を舐めて髭面で迫る。

「嫌だってのにっ」

 思いっきり顔を背ける俺に不動が囁く。

「俺の唾液とか体液ってそこらの薬よかよっぽど効くらしいぜ?最高で抜かずに五発キメたヤツもいたしよ。なあ、どうよ、天国見てみたくねえか?」

 思わず不動に視線を向ける。にやにやといやらしい笑みを浮かべた不動の濡れた唇が妙に艶かしく見えた。

「ほんとかよ……?」

 疑い深い声に、不動が笑う。

「ああ、保証する。さっきよりもっとイイとこ連れてってやる」

 ゆるりと近づく顔は、むさ苦しくて垢じみてさえいるのに、俺は逃げなかった。いや、なぜか逃げられなかったんだ。

 そして唇が重なり、わずかに甘い唾液を纏った舌がぬるりともぐりこんできた。触れ合う口元に髭があたってくすぐったいな、と思った。

 その後、どうしたのかは、よく覚えていない。

 ただ、その日の営業は臨時休業になった。
 更に翌日も。






 そして俺の家には、ゾンビが一匹棲みついた。







<fin>




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