青春Wonder | ナノ


ドラゴンボール(仮)を見つけまして


「見てみて!!ドラゴンボール見つけた!」

「「「は?」」」

撫子はコートで見つけたと高らかにここに居るメンバー、跡部・忍足・財前・白石・リョーマ・不二にドラゴンボールを見せつけた。

「あーん?そんなもんボールに赤いペンで星書いてるだけじゃねーの。」

「…夢がないね跡部、もう少し子供的発想持とうよ。じゃぁいいよ。ドラゴンボール(仮)で。」

「んなもんいらねぇよ。夢見るのはお前の頭の中だけにしておけ。」

「ねぇ、撫子さん?何か願ってみないの?」

「あー…だったら、跡部をショタっ子にしてくれ!」

撫子が願いを言った瞬間、一つのボールが光り出し、跡部の姿が光に包まれた。思わず目を閉じたメンバー。光が止み、跡部を視界の中に捉えた瞬間、信じられない物を見た。

「「「!?」」」

「あーん?だれだテメェら、おれさまになんのようだ。」

そこに居たのは目がクリックリの小1ぐらいだろう。そんな感じの跡部が居た。相変わらず性格は俺様だったが、それがショタの外見をしていればとても素敵なスパイスとなっている。

「な、な!?マジ…?」

本当に変化するとか思わなくて願いを言った撫子本人が驚いた。

「可愛い!なんで中3になったらあんなのになっちゃうの?なんであんなナルシスほくろになっちゃうの?この外見で俺様とか萌要素しか見当たらないんだが!」

そんなことを言いながらチビ跡部を抱きしめる。

「な、はなせ!おれをだれだとおもってやがる!」

「何様俺様跡部様だよ。いいじゃん別に、減るもんじゃないから。」

「はーなーせー!」

チビ跡部は暴れるが撫子の拘束?からは逃れられない。

「跡部さん…そこ変われ。」

リョーマがチビ跡部に抗議する。

「そんなんやったらこれ被せて謙也さんのいとこの餌食になってもらいましょか。」

同じくチビ跡部の立ち位置が羨ましく思っていた財前に子供用のセミロングウィッグを被せた。

「…まぁ、なんということでしょう。見事ショタっ子からロリっ子に変身しました。どう?忍足、これ守備範囲内?」

チビ跡部を忍足に突き出した。チビ跡部を見定めるようにジロジロとみる。

「…………ありやわ。」

撫子からチビ跡部を受けとった。それを見たリョーマと財前はハイタッチ。

「かわええなぁ、このまんまやとホンマ女の子みたいやで…。ほれ、飴ちゃんくうか?」

「ガキあつかいしてんじゃねーよ、メガネ。」

「…そんな悪いこと言う子にはお仕置きやでぇ?」

そんなことを言いながら忍足はチビ跡部を器用に抱きかかえたままくすぐる。

「やめ、ッアハハっっヒー!」


そんな光景を冷静に見つめる撫子と白石。

「蔵さんどうだ?この光景。」

「なんや…なんかを発掘できそうや…。」

「忍足×チビ跡部……チビのスペックはツンデレか?」

「いや…デレデレでもええかもしれん。俺らが居らん時には忍足とデレデレしとるかもしれへんで?」

「照れ隠しですね分かります。だったら忍足はヤンデレがいい。」

「なんでや?」

「むしろ依存していたらいいと思うんだ。」

「なにそれ禿萌えるで。」

「ストーリー展開はあれだ。チビ跡部の誘拐を図った忍足。無事に成功してチビをショタじゃなくてロリとして少しの間行動を一緒にする。チビも始めは嫌がったけど、優しく接してくれる忍足にデレデレになるんだよ。」

「神展開ktkr。やったら俺、そのあとは別れがあると予想や。」

「なに?」

「打ち解けて暮らせれたんもつかの間、誘拐犯は警察に捕まるんや。で、有罪。刑務所に10年入れられる。刑務所に入れられとる間も忍足はずっとチビのことを思っとるんや。もちろんチビも忍足の存在を気に掛ける。そして10年の月日が流れて忍足が出所や。その足で忍足が向かったのはチビが通っとる氷帝学園の近くや。会ってはいけないと分かっていても、本能はチビを求めとる。んで、チビが出てこんかなぁッて待っとって、チビが校門から出てくるんや。一目見れて忍足は満足して学園を背にして帰るんやけど、不意に後ろから抱き着かれるんや。勿論抱き着いたのはチビや。んで、チビが屋敷の新しい執事として同じ屋敷に住んで身分の差による禁断の愛の物語が始まるんや。ドヤ?」

「蔵さん、あなたが神か。」

「そや、これでリレーせんか?」

「マジで!?しようよ!」

忍足とチビ跡部で妄想をしていたらいつの間にかパラレル連載のアイディアが乱舞していた。

「撫子さん。おれもショタにして欲しいっすわ。」

「おぉ、光君。立候補かい?跡部もショタで光君もショタとかなんて言う俺得ハーレム?」

「あ、外見だけにしてくだいね。」

「了解、了解。光君ショタっ子カモン!」

跡部と同じく光に包まれショタ光が登場。

「…どうっすか?」

まだピアスのあいていない財前。生意気そうな表情の中にあどけなさが残る。

「私のユートピア!」

撫子は財前を抱き上げ、高い高いからの抱擁。財前も甘んじてそれを受け止め笑みを零した。そんな笑顔を見た撫子はノックアウト寸前。

「光ー、自分そんな可愛かったのになんであんな厨2になってしまったんや!」

「ぶちょう、うざいっすわ撫子さんとおれだけのじかんのなかにはいってきてほしくないっすわ。」

「毒舌を吐くショタもいいなこれ。」

「俺は子供に罵られて傷ついたわ。」

「ねぇ撫子さん、さっきから越前が落ち込んでてうっとおしいから相手してやってよ。」

不二に言われ越前に目をやると体操座りをして床にのの字を書いていじけているリョーマが居た。

「やだ、リョーマ可愛い。」

リョーマに近づき覗き込む。リョーマも顔をあげ撫子の顔を捉える。必然的に視界に入ってくるものは撫子の腕に抱かれリョーマに対してドヤ顔をしている財前の姿。

「…撫子さん、俺もなんかして下さいっす…。」

「うーん……リョーマはなんか希望ある?」

「だったら……猫になりたいっす!」

「おk把握、リョーマよ猫になーれ!」

とリョーマは猫になった。

「ほあらー…。」

「……猫…だよね?」

猫は猫になったのだが、ニャーっていう泣き方じゃない。

「あぁ、越前の家の飼い猫のえーっと…カルピンだったっけ?」

「へー、…リョーマがカルピンになっちゃった。」

「ほあらー。」

リョーマ…カルピン?が撫子の肩の上に軽やかに乗った。

「おぉ、流石ヌコ。身軽…って舌ザラザラ!反逆であります隊長!リョーマァ正気を保って!あなたは人間なのよ!」

そのまま頬をなめられる。絵としては可愛いんだけど、何分…猫の舌は凶器だ。

「ほあらー。」

「や、かぁいいんだけどもぉ!痛いのぉおおおお!」

財前もそんなリョーマの姿を見て嫉妬に駆られる。リョーマは痛い視線を感じ、財前を見下す。

「そいつにんげんのいしきもってますよ!」

「マジか、リョーマ!?」

「……………。」

撫子の呼びかけに全く反応しない。

「光君、やっぱリョーマの意識無いよ…。」

「そんなはず…。」

もう一度よく見ると、リョーマは撫子にばれないよう、財前だけにドヤっていた。

「あ、ねこがいる。」

チビ跡部がリョーマの姿に反応し、忍足から逃れて戻ってきた。

「お、跡部。猫ちゃん抱くかい?」

「うん!」

猫が好きなのだろう。満面の笑みで撫子に対して返事をした。

「跡部にもこんな可愛らしい笑みを浮かべることが出来るスキルを持っていたのねっ!ほら跡部、落とすなよ?」

そう言いながら跡部にリョーマを渡そうとした。そのとき、変身していたみんなの姿が光に包まれた。

「あ?俺はいったい何をしてたんだ?」
「あ、戻りよった。」
「…チッ。」

「あーぁ、戻っちゃった。ツマンネ。」

「大丈夫だよ撫子さん今までの出来事全部録画しといたから。」

いつの間にか設置されていたカメラを回収して言う不二。

「不二君が滝みたいなこと言ってるー。」

「だって滝君からの入れ知恵だもん。」

「へー…。」

「そのボールの提供者は幸村君だよ?」

「わお、幸村君マジ神の子。」




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100000hit企画第6弾、
悠様リクエストの「デストロイ主が願いが3だけ叶えられるものを拾って、やらかす話」でした。

白石との妄想を書くのが楽しかった。忍足が自然と犯罪者になってて、なんというか…かっこいい忍足は生息できないんだなと思いました。

財前と越前はなんか腹黒くなるし、なんなんだ。純粋なリョーマはどこに行ってしまったんだ!

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