ロリになり猫耳としっぽが生えまして |
土曜日、これから部活の始まりだ。氷帝メンバーは部辰が始まる前の少し和やかな雰囲気を味わっていた。撫子が来ていないから…平和だ。跡部はその平和を噛み締めていた。 ピリリリリリ――― そんな空気の中、跡部の携帯に着信。 「俺様だ。」 『あ、跡部?幸村だけど、今日の部活椿崎さん休むってさ。』 「アーン?何で貴様がそれを知ってるんだ?」 『なんかね、椿崎さんからメールが来たんだ。多分跡部と間違えたんだろうね。風邪だってさ。なんか…もう危篤状態らしい文面のメールだから俺優しいから跡部に教えてあげたんだよ。』 「…そうか。」 『でね?俺たち立海はこれから椿崎さんにお見舞いに行こうとしてるんだけどね。跡部達も来ないかい?』 「は?なんで俺様が行かなきゃならねぇ。」 「ねぇ、跡部行こうよ。」 滝が跡部と幸村との会話に口を挟んできた。それよりも何故、会話の内容を的確に把握しているのかが、気になるがそれはもう、滝だからという理由で納得しておくことにする。 「は?滝テメェまで何言ってやがる。」 「……多分…撫子の弱み握れるよ?」 「よし行こう。」 跡部は意見を180°変更させ、返事をした。 『フフフッ、じゃ後でね。』 そう言って通話終了。 「……跡…部?」 忍足が恐る恐る声をかける。 「お前ら行くぞ。」 ジャージから制服に着替える。 「いや、これから部活やん。」 「椿崎の弱みが握れるとしてもか?」 「よし、行こか。岳人行くで。」 忍足も無駄のない動作で着替える。 「ちょっ待てよ。監督にはなんて言うんだよ!」 岳人も誘われたが、これから部活なのに、どうするんだよ。と心配をしていた。岳人が一番真面目だったらしい。 「問題ないよ。」 岳人の疑問に滝は答え、次に監督に電話をかけ始めた。 「監督、滝です。今日、レギュラーは練習休みます。マネージャーの椿崎さんが高熱を出したらしく一人暮らしだから心細いということです。ですからいつものお礼をするためにお見舞いに行きたいのですが…よろしいでしょうか?」 『フム…行ってよし。』 「ありがとうございます。」 「滝のいい子ちゃんキモイC。」 「ジローは欠席ね。」 滝の怒りメーターが上がり、ジローは欠席に、哀れ。そして監督の許しを得ることができたメンバーは撫子の家に移動。 「やぁ、跡部。」 立海メンバーは既に撫子の住んでいるマンションの前まで来ていた。 「…早いな。」 撫子の家はかなり氷帝寄りなのに県を跨いだ立海の方が撫子の家の前へと既に到着していた。 「俺に不可能はないよ。でね、ここマンションの住人が中からロック外してくれないと入れないらしいんだ。椿崎さんを呼び出しても返事がないし。無駄にセキュリティーが高いってうざいよね。」 「仕方ないだろ。女性が一人暮らしをしているのならそれぐらいはないといけないだろう。」 「せやけど…撫子なら泥棒入っても蹴り食らわして沈めると思うで?」 「「「……。」」」 一同同意。 「フン、ここ俺様の会社の系列じゃねーか。お前ら待ってろ。」 そう言って跡部はマンションの管理人室に入って行った。数十秒後、跡部はマスターキーの様なものを受けとって帰ってきた。どんな方法を使ったのか知らないが、結果的には撫子の部屋に入れるのだから良いだろう。 メンバーは跡部に続いてマンションの中に入る。そこで思いついた。 「おい、幸村。あいつのメールどんなのが来たんだ?」 「あ、見る?」 幸村はケータイをいじり撫子から来たメールを表示させる。 『ねつ 死ぬ ねこみみ\(^o^)/ワォ』 跡部達はケータイをのぞき見て、疑問を抱くしかなくなった。メールの要件に則さないねこみみという単語。一体何なんだ。 「…………猫耳ってなんだ?」 「さぁ?幻覚でも見てるんじゃない?」 これは一大事だぞ。そんな中、撫子の部屋の前まで来た。 「「「お邪魔しまーす。」」」 鍵を開け、中学生男子諸君がぞろぞろと入ってきた。しかし部屋の主の姿は無い。大人しくベッドに寝ているのだろう。よく遊びに来ている柳が先頭を切って撫子のベッドの所まで移動。見れば布団が膨らんでいる。頭まで被っているようで顔が伺えない。 とりあえず代表として、布団をペラッとめくってみることにした柳。 「………………………………。」 パサ…。 柳は無言のまま布団を元に戻した。そして目頭を抑えて頭を抱えた。 「どうしたんすか?柳さん?」 「……俺達は…違う人の部屋に入ってしまったのではないか?」 柳にしては珍しく挙動不審になっている。 「何を言ってるのですか?ここは椿崎さんの部屋で間違いないでしょう。」 「いや…しかしだな。」 「ウゼェ、さっさと椿崎を起こせ。」 後ろの方に居た跡部が布団の端を持ち、思いっきり引っ張り上げた。 「「「「「!?」」」」」 そこに居たのは丸く膝を抱えながら眠りについている少女が居た。外見的特徴を言うと、150p位の身長で華奢な手足がだぼついているTシャツとハーフパンツから見え隠れしている。幼い顔つきの中でも鼻筋は通っており美形の部類に入るだろう。そして猫耳、猫耳しっぽ。が付属されていた。 「あ、猫耳ってこれのことか。」 「あ、やっぱ僕の薬のせいか。」 と幸村は落ち着いた雰囲気で言った。滝も同じく落ち着いた雰囲気で問題発言をしてくれた。しかし、その発言は誰の耳にの届くことはなかった。 しっぽはユラユラ動き鈴をチリンと鳴らしている。幸村はとてもにこやかな笑顔でユラユラと動いているしっぽを思いっきり掴んだ。 「んにゃぁ…ッ。」 切ない甘い、鼻にかかった声が聞こえた。 「おおお、俺帰る!椿崎にはお大事にって言っといてくれ!」 「ちょ、待っブン太俺も帰る!」 「「「「以下同文!!」」」」 ブン太にジャッカル、真田、柳生、赤也、日吉、鳳、宍戸、岳人は逃げ出す様にバタバタと帰って行った。 「フフフッ刺激が強すぎたかな?」 かなりすっきりとしたメンバーになった。すっきりとしたため後ろの方に居た仁王が撫子の姿をようやく捉えることが出来た。 「お?小6位の椿崎が居る。」 仁王が身を乗り出し、様子を確認すると、その幼女の姿は小さい頃の撫子だと確信した。 「そうなのかい?」 「おぉ、猫耳は生えとらんかったが…背丈とかはそのまんまじゃの。」 「へー、だったら仁王はこの椿崎さんに恋をしていたわけだ。」 「……プリ。」 「おい忍足、貴様は何をしている。」 跡部が忍足に声をかける。 「いや…病院に連れて行こうかと…。」 仁王が幸村に図星を突かれている間に忍足は寝ている撫子を抱え上げ、部屋から出ようとしていた。 「何処のだ?」 「……俺んちの。」 「忍足逮捕ー。お前は帰れ氷帝の汚点。」 跡部が忍足の行為を阻止。撫子を忍足から奪いとりあえず床に置く。 「……はい、帰ります。」 犯行動機は小6の頃の撫子が忍足の萌えレーダーにひっかかってしまったからだそうだ。 流石に犯罪者になりたくないからってことで返ることにした。トボトボと玄関に向かう忍足。 「――――。」 何か言っている。 「なんであのまんま成長が止まらんかったんや、なんでや、あのままやったらホンマ、よかったんに…時の流れのバカヤロー!」 「跡部、僕たちも帰ろうか。」 忍足が寂しそうな背中をさせながら去っていく様を見届けてから滝も跡部に帰ろうと提案した。 「アーン?何言ってんだ?」 「帰 ろ う か ?」 「はい…。」 跡部はまだ撫子の弱みを握っていないため、このままでは帰れないという姿勢をした。しかしながら滝がほんの少し。ほんの少しだけ、凄めば跡部はそれに従った。 「じゃ幸村君、今度は薬を改良して熱出ないようにするね。」 「うん、期待してる。」 滝は跡部を連れて退室。 「仁王、椿崎さんをベッドまで運んであげて?」 撫子はまだ床に置かれたまま放置されていた。それを幸村が拾い上げるよう仁王に指示。 「……なんで、俺が…。」 「何?俺に重たいものを運ばせる気?」 「……。」 嫌がっていた仁王だったが、結局は逆らうことができず大人しく撫子を拾い上げ、ベッドまで運んだ。 「……椿崎お起きんみたいじゃし、俺らも帰――は?」 振り返ってみるとそこに居たはずの幸村と、柳が居ない。 あいつら 逃げやがった。 「……俺も…おいとましようか……の?」 立ち上がろうとしたらシャツを引っ張られる感じがした。なんだ?と思って目線を下にやると、撫子が仁王の服を小さな手でしっかりと掴んでいた。 「に…お、」 「は、はなしんしゃいッ!」 言葉に出すだけで引き離そうとする行動には出ない。 「…ちょっとでいいけん…ここに居て…にゃ。」 ハァハァと熱にうなされながら途切れ途切れに言葉を紡ぐ。 「ッッ!?」 撫子は再びスゥっと眠りについた。しかし掴まれている手は離れない。仁王は腹をくくり再び撫子が起きるときまで居ることにした。 …。 カシャ――。 電子音が部屋に鳴り響いた。 「これくらいはええじゃろ。」 ――――――――― 100000hit企画第4弾 アリス様リクエスト『主が発熱+猫耳他、氷帝と立海がお見舞い』でした。 かなり仁王寄りになってしまいましたし、主もちょっとしか喋ってない。これが夢であってもいいのか?大丈夫だ問題ない。 むしろ、管理人にはたくさんのキャラを操ることは出来ないことをかなり思い知らされました。(早々に大人数退場…。)どうやったら一度に多くの人物を操ることができるのでしょうか…。 |
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