皆と子供になりまして |
「ねー、忍足。」 「なんや?…滝……。」 「ちょっとこの子たちの面倒見てくれないかな?」 「…だが断ってもええか?」 「拒否権あると思ってるの?」 「デスヨネー。…で、聞いてええか?何でこないなっとん。」 「僕の秘めたる黒魔術が暴走しちゃってさー。撫子と跡部とジロー手塚君と不二君と君の従弟君と白石君と幸村君と真田君とがちょっと巻き込まれちゃって。」 「あぁ、最初の方はただの人が言ったらただの厨2に聞こえる台詞なのに滝が言ったらガチやもんな…。」 「じゃぁ頼んだよ。合間をぬって他の人も手伝いに来させるから。」 「そりゃどーも…。」 滝は忍足に雑用を押し付け自分はまんまと逃げたようである。 「ここ…いつから託児所になったんやろ……。」 氷帝レギュラー専用部室は託児所になったのはついさっき。と言うか、滝の黒魔術が暴走したことにより、先ほど述べた人たちが幼児化してしまったからここは一瞬にして託児所になってしまった。しかも今回の幼児化は見た目だけではなく中身も子供になってしまっているらしく、なんというか…撫子ホイホイである。 「やけど…滝……立海の幸村や青学の不二も被害に合わせるやなんて…俺知らへんで……。面倒ってどう見ればええんや?」 「ねーねー、おにいちゃん。そのめがねかしてー!ねーねー!」 忍足に一番に興味をひかれたのは不二らしい。いや、忍足のメガネに一番にひかれたのは不二らしい。早速子供特有のかしてかして攻撃が始まったようだ。しかしその様子を見ていた手塚はその態度は感心しないとぼやく。 「ふじくん、めうえのひとにたいしてのたいどにしてはかんしんしないぞ。」 「てづかくん、きみはあたまかたいよ。もうすこしじゅうねんせいをもっていかなきゃこのせしがないよのなかうまくわたっていけないよ。」 「…自分ら歳いくつやねん。ほんまショタ化しとんか?」 二人の話す内容が中学生だと言っても通じそうなものであり、忍足は実は中身まで幼児化していないのではないかという考えがよぎった。だったら放っておいても…と思ったがそうはいかなかった。 「なにこれー、うーもぐもぐ。」 「ちょ!ジロー何食っとんねん!?ばっちいやろ!」 ジローはもぐもぐとその辺に転がっていたテニスボールを口に含もうと努力しているところで忍足に強制終了させられた。それから辺りを見れば謙也は走り回ってこけて今にも泣きそうであり、跡部は跡部で樺地が居ないことで涙目であり、幸村は真田にちょっかいを出し過ぎて真田がプルプルと震えている。今すぐにでも大泣きの大合唱が始まってしまいそうである。 「あー!もう早よ誰か来てぇえ!」 「失礼しますっす。」 失礼します、と一番に手伝いに来てくれたのは越前であった。忍足はこけた謙也を慰めていたため越前には跡部のおもりを頼んだ。 「越前!ちょう、跡部を慰めたって!」 「は?嫌っすよ。なんで跡部さんなんか…。俺、撫子さんの遊び相手に来ただけっすから。撫子さーん、お兄ちゃんが遊びに来てあげましたよー。」 越前は忍足の言葉を総シカトして一直線に幼児化の紅一点、撫子の所まで歩いて行った。 「おにいちゃん、だれ?」 「ん?俺、越前リョーマ。撫子さんの恋びt――。」 「嘘つくんやないで越前。」 「チッ!!…あんな伊達眼鏡放っておいて何して遊ぼうか?」 「じゃーねーじゃーねー!おままごと!!わたしおむこさんでおにいちゃんおよめさんね!」 「えー―――、マジっすか…。」 そこは「撫子ちゃんがお嫁さんでおにいちゃんはお婿さんね!」って言うと信じてやまなかった越前はとてもわかりやすく落胆していた。それを忍足が謙也と跡部を慰めながら横目で見てザマァと笑った。 「ブハァッ、越前ザマァ!!撫子、こっち来てもええで?」 「……。」 忍足が調子にのって撫子をこちらに呼んでしまおうと考え声をかけた。しかし、撫子はリョーマの元から離れようとしない。むしろ忍足から身を隠す様にリョーマを縦にした。 「……こわい…。」 「あー…やっぱ忍足さんからはロリコンオーラ出てんすね…撫子さんをこんなに怖がらせて…ですけど、GJっす!」 「めっちゃ今の傷ついたわ…ロリェ……。」 「おい越前!大石が戻って来いって言ってたぞ。」 「……どもっす。」 岳人が大石からの伝言を持ってきた。リョーマはもっと撫子と遊びたかったというオーラを醸し出していたが今は一応部活中である。優先すべきは練習である為一応自重である。 「岳人…次は岳人が手伝ってくれるんか?」 「おう!うわぁー、ジローちっちぇ!!なつかしなぁ。」 岳人はジローを見るなり抱っこした。 「そういや幼馴染やったっけ。自分ら。」 「そうそう、いやー、この頃のジロー女の子と間違われてさぁ近所のおばちゃんとかお客さんとかから髪を留めるリボンとかそう言うの貰ってたりしてよぉ。」 「確かに…そのジローはロリや言うてもおかしくは無いわなぁ。」 「…侑士…手、出すなよ?」 「出さへん出さへん。」 「勿論今の撫子にもだぞ?」 「…………出さへんよ?」 「何なんだ今の間は…ホラジロー、高い高ーい!」 岳人がジローを高い高いし始めた。ジローは始めこそ驚いたが適応能力が高いのかすぐにもっともっとと言い始めた。 「うわぁあ?スゲェ!もっともっと!」 「お?そうか?」 そして岳人も調子に乗って先ほどよりも高く上げた。 ――ガッ。 とても嫌な音がした。それはジローの後頭部が天井にぶつかってしまった音で、ジローはやっぱり泣き出してしまった。 「あ…やべ……。」 「がっくぅうううん!?」 「う?…ふ、ふぇえええええ!!!びぇぇぇえええ!!」 「あ、俺日吉との練習を抜けてきたんだった行かなきゃな。侑士後は頼んだ。」 岳人は用を思い出したらしく、その用を果たしに託児所から出て行った。つまり、逃げたのである。 「仕事増やして消えるんやないでこるぁあああ!!………ん?」 またジローを慰めなければならないのかと思い少しの間放心してしまった忍足。しかし、気が付いたらジローの泣き声が聞こえなかった。何故だと思って見て見ればそこにはジローを一生懸命あやしている撫子の姿があったのだ。 「なかないの、おとこのこはないちゃいけないっておかーさんいってたよ。」 「…うー……いたいのがまんしないといけないのー?」 「おとこのこはつよいほうが萌えるっていってたからがまんしたほうがいいかも?」 「慰める幼女萌え…って言いたかったんに、撫子のオカンは撫子に何教えとんねん…。」 「俺の嫁がロリ化したあげくおままごとプレイが出来ると聞いて!」 財前がテンションおかしくやってきた。 「っなんで自分が来るんや!もう少しまともなん来てくれんのか!」 「じゃ、俺帰りますわ。」 来てしょっぱな貶された財前は速攻で帰ると言う選択肢を選んだ。 「おう、そうしてくれ。居らん方が平和やわ。」 「行きましょ撫子さん。ジュース買ってあげますから。」 「ジュース?いるぅ!」 忍足もその行動には肯定的である。財前は出ていく間際、撫子の名を呼んでもので釣った。そして簡単に釣られてしまった撫子はトテトテと財前の元まで歩いていってそれから財前に抱きかかえられ外へと出て行った。 「うわぁああ!唯一のロリっ子成分がァアア!誘拐犯んんんんん!!」 「のう忍足、手伝いに来たぜよ。」 最後の学校、立海からは仁王が手伝いに来た模様。忍足はきっと撫子の姿を見てからかいに来たのだろうと思ったので一言言った。 「…仁王か…今撫子は居らんでー。」 「知っとるそれを狙って来たんじゃ。昔の椿崎を見とったら古傷が抉られるけぇ…。」 「けど、自分の黒歴史は小6やろ。」 「ちんまいの見たらそんな感覚になるんじゃ。お、これがちんまいころの真田と幸村か、二人ともちんまいころは可愛いのぉ。」 うりうり、と仁王が二人の頬を突っつく。 「や、やめぬか!」 「真田…おまんはあの成長をやめぬかと言いたいぜよ。歳往相に育って欲しかったぜよ。」 「ねぇ、やめてくれないかな?」 「やーじゃ、今じゃねーとおまんにこんな悪戯出来んからのぉ。かわええのぉ。」 「…におう、っていったよね。おれがおまえぐらいのとしになったときおぼえておきなよ。」 「…………プリ。」 「仁王、可愛いか?」 「前言撤回しとくぜよ。」 「再びお邪魔しますわ、チッ。」 盛大に舌打ちをしながら財前がやってきた。 「なんや、ロリ誘拐犯。」 「黙ってください。…撫子さん、渡すもんあるんですやろ?」 「う、うん!あれ?おにいちゃんがふたりになってる…え、どうしよう……。」 「ん?撫子、どうしたんや?」 「あの椿崎が……恐怖じゃ…。」 少し焦った様子を見せた撫子だったが、何か代案を思いついたらしく忍足と仁王の方へ歩いて行った。 「あのね、あのね、これあげるー!めがねのおにいちゃんと、しろいおにいちゃんに!」 あげる、と差し出してきたのはスポーツドリンクとりんごジュース。 「…撫子さんが忍足さんにも買いたい言うからかったんすわ。よかっすねー、撫子さんから手渡してもらって、仁王さんも本当は撫子さんが飲みたい言うて買ったリンゴジュースをもらうとか、何様っすか。」 「あああ、ありがとな撫子ー!!ハァハァ、やっぱロリは俺の味方や。滝GJ、ロリ撫子ご馳走様や。hshs、」 「うわ、これが椿崎とかホンマ無いぜよ。ホンマ萌えじゃなか?え、ちょ、めっちゃときめくのぉ。なんなんホンマ子供時代の椿崎ホンマかわええのぉおお!」 「で、お二人さん。ジュース代、元は俺のなんで請求しますわ。一本1000円すわ。」 「「え。」」 ―――――――― 500000hit企画第45弾 睦月様リクエスト「青春主+青氷立四の各校レギュラー二人ずつ位で幼児化(見た目も頭脳も)」でした。 跡部空気! いや、もっと白石が空気になってしまった!!申し訳ない……。あっれー?おかしいな、もっといじれると思ったんだが…あぁ、そうだ。ショタ専の主が幼児化してしまったから、いやーうっかりうっかり。 |
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