青春Wonder | ナノ


男になり四天宝寺に行きまして


「あーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーはーーーー…ハァ。」

どうして私はここにいるんだよぅ!なんで大阪に居るんだよぅ!イベント以外で土日家から出たくなかったのによぅ!滝様すみませんすみません。雑念なんて抱いていませんから!ちゃんと四天宝寺に行って来ますからぁあ!!

はい、こんにちは始まりました撫子レイディオ。DJ男体化した椿崎撫子がお送りするぜ!今回は公録、収録場所は大阪にある四天宝寺中学校だぜ!
プロデューサー滝様の気まぐれでわざわざわざわざわざわざ、ファックスで送ってもおkな書類を滝様が先生に「あ、先生それマネージャーに届けさせましょう。今度の練習試合でマネージャーは四天宝寺の選手のサポートもするのでそれの慣れとして言ってもらった方がよくないですか?」とか説得しやがって…。優等生ぶりやがって…チッ。え?舌打ちなんてしてませんよ、違いますから!
別にもう皆のこと知ってますよーだ!てか滝知ってんだろ!私を立海へ売った本人は君だろうよぅ!しかもマネはいねーっつーの!あ、光ちゃんに会いたい。しかし男体化までさせるなんて…四天宝寺のみんながビビるだろうがよ…どう説明すればいいんだよ…。

「うん、テンション下がる。とりあえず行くか…いざとなったら別人ってことでいこう。」

撫子はとりあえず普通にテニスの練習をしている四天宝寺テニス部の陣地へ突入。顧問らしき人を探すが、…居ない。少し戸惑っていると白石に話しかけられた。

「…なんしとん?自分、…それ氷帝の制服よな?」

「あ、蔵さん久しぶりー。ちょっと書類を届けに来たんだけどー。」

「ちょちょちょちょちょ、自分になんで蔵さん言われんとあかんねん。つかなんで俺の名前知っとるねん。あ、でも書類のことは知っとるからそれは貰うわ。わざわざ東京からありがとさん。」

撫子はとりあえず書類は渡した。

「いやいや、私椿崎撫子だよ。」

「嘘だ!」

「ですよねー…蔵さんはエクスタさん。光君はぜんざいP、一氏君はうじうじさん。謙也君はスピンさんで腐女子が苦手…って知ってるのは撫子しか知らないことを私は知ってるから認めてくれるかな?かな?」

「え……ホンマに撫子さん?」

撫子しか知らない情報の羅列。それを言えば戸惑いながらではあったが、白石も納得はしてくれたようだ。

「いぇーす!ちょっとこの姿は滝や幸村君や不二君の黒魔術的なものでね…蔵さんも気を付けなよ…。」

「…そんな機会がないことを俺は願っとるわ。まぁ、とりあずようこそ四天宝寺のテニスコートへ。」

「いやー、どもども。ここは変わったところにコートがあるんだねー。」

「まぁ…ここは大阪やけんな……撫子さん…できればその言葉遣いは止めて欲しいんやけど、流石にその外見でその口調は…な?」

白石よりも身長が高くなっている今、その言葉づかいを頭の上から被る羽目になるのは心底遠慮したいようだ。

「……あぁ、悪い。口調をこれにしていくよ。」

「一々すまんな。」


「白石ー、早よ戻ってきてラリー続けようやぁ。って誰や?」

先ほどまで白石とラリーをしていた謙也がこちらまで走ってきた。

「あぁ、謙也君久しぶり。腐女子に対する偏見は取ってくれたか?」

「えっ!?なんで自分がそないなこと知っとるんや!」

「…蔵さん、説明してくれるか?」

「…任されたわ。」

白石にブン投げ。
ほら、二回も同じことを言うって気分が萎えるから。

「…なんや……椿崎、…滝君のことは侑士からかねがね聞いとった。難儀や…同情するわ。」

「あはははは、滝様ここにまであなたの噂は届いているよ。まぁ、わた…俺もこの状況を楽しむ節があるからいんだけどな。こんな風に、な?」

撫子は自分の指を謙也の顎にひっかけて目を合わせさせた。少しだけ謙也を引き寄せた。妖艶に微笑めば謙也は顔を真っ赤にした。

「な、ななな、なッ!?」

謙也は浪速のスピードスターと言うだけあって速攻で撫子を振りほどいて脱兎。

「あー、ぁ…逃げられちゃった。」

「なぁ撫子さん、あんな反応をする謙也はネタの宝庫やって思わん?」

「禿同。」

少し謙也の事について妄想を繰り広げていたら四天宝寺のメンツがわらわらとやってきた。

「あんら?謙也クンが撫子ちゃんが来とる言うてたから挨拶に来たんやけど…めっちゃええ男がおるやないのぉ!ロックオーン!」

「小春ぅ!浮気か!!」

「やぁやぁ、皆の衆!!赫々云々ってことで俺は椿崎撫子だぜ?」

「話は分かったばってん…扉も開けてない滝いう奴がそんな不思議なことが可能なんか!一回話してみたかぁ!」

「…うん、機会があればすればいいと思うぜ?でも…下でに出た方が身のためだからな。」

「分かったばい…。」

「撫子さん…言うたら財前はんの思い人やな。財前はん今この場に居ないやなんて…無念やろう……。」

「えッ!?光君居ないの!?」

「風邪を引いたらしくてな…今日の練習は欠席する言うて連絡あったわ、財前ザマァ。」

そう言えばさっきから財前の姿が見れない。どうやらガチで体調を崩しているらしい。

「会っておきたかったけど、居ないなら仕方ないか…。」


「ゲホ、俺のッ嫁が居ると聞いてッ!!ゴホ!男になった撫子さんも、かっこええゴホゴホ…!!」

財前がマスクをつけてスエット姿でみんなの前にいきなり現れた。そしてそのまま撫子にタックルをしてきた。しかし力も弱々しい。

「「「光(君)!?」」」

「なんで自分がここに居るんや!?しかもその格好パジャマか!部活しにきとらんやろ!」

白石が叫ぶ。折角出し抜いたと思ったと思い優越に浸っていたのだから。

「当たり前やないですか、俺は撫子さんに会うためだけにここに来たに決まっとりますやん。情報提供の謙也さん、初めて有難味を感じましたわ。」

「謙也かぁ!!いらんことをっ!」

「やってやってやって、パニくって…それに光に教えとかんと会えんかった腹いせに俺に八つ当たりに来るにきまっとるやんか!」

「…チィッ!!」

「光君光君、会いに来てくれたことは嬉しいんだが…風邪は大丈夫なのか?」

「あぁ、男らしい撫子さんや…大丈夫ですわ。撫子さんに会うためなら風邪なんて吹っ飛ばせますわ。」

大丈夫ですわ、と言う割には顔は赤いし目は潤んでいる。

「…体温何度?俺、嘘はつかれたくねぇけどなぁ?」

「37.6℃です…。」

「でもまぁ…大丈夫な位か?」

「はい。」

「ん?…光、自分の平均体温35℃やなかった?」

「えっ!?それもう危篤じゃねーか!本当に光君やばいじゃねーの!?ちょッえ、大丈夫なの!?本当に大丈夫なの!?」

「撫子さんに心配されるんならファン冥利に尽きますわ。ゴフ…っ。」

財前の身体を支えていた自分の力がなくなって体重全体が撫子に圧し掛かる。つまり財前は気を失ってしまったようだ。しかし、とても幸せそうな顔である。

「光くぅうううん!!」



―――――
―――

「……う、…ゴホッぇ?」

財前が目を覚ますと撫子の顎と天井が視界に入っていた。呻き声に気づいた撫子が声をかける。

「お?気が付いたかね?光君。君、いきなり気を失ったんだぜ?」

「ホンマや、いきなり倒れてからに…いくら椿崎に会いたいからって、自分の体力を考慮せんとかあかんでぇ。」

「…ゲホあの一つ聞いていいですか?俺の頭の下にある微妙に固いもんはなんですか?」

「え?俺の膝枕だぜ?いやー、残念だったな俺が女のままだったらいい感じの膝枕を提供できたんだが…やっぱ男の膝枕は妙に固いか。」

「ッマジでか!?」

「クッ…財前めっ!!」

白石がとても悔しそうに睨みつけていた。それに対しては律儀にドヤ顔をかましておく。

「でも光君ホント大丈夫か?37.6℃でそんな衰弱してッ、出来るなら変わってやりてぇぜ!俺、インフルエンザにかかってもパソコで遊んだ人だから丈夫なことだけが取り柄な!あ、光君。風邪って人に移したら治るらしいぜ!」

「椿崎、それは根拠ないで…。」

「あ!そういやぁワイのオカンもそんなこと言っとったで!やから昔ワイが風邪ひいたときオカンに自分に移せって言ってチュー迫ってきたんやで!あれは怖かった…!!」

「そうだ!光君、俺とチューしよう!ほれチュー!チュー!初めてぇのちゅー!」

「なっなっ、な…ッガハァ…。」

財前の意識ログアウトパート2。
しかし、とても(ry

「わぁあああ!光君が死ぬぅう!!」


「イヤ、とどめをさしたんは椿崎やと思うわ。」





―――――――――――――
400000hit企画第13弾
レータ様「『男になっちゃいまして』の四天宝寺ver/財前を」でした。

よし、管理人の中では日吉も財前も主にとっては扱いは一緒だそうです。女の人に免疫は無い!!無い方が可愛い!可愛いは正義!

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